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オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で
- 法令上通販ができない為に対応ができない
- 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる
というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。
コロナ禍でアルコール消毒や手を洗うタイミングが増え、手荒れが気になる方も多いのではないでしょうか?
「手荒れを治したいけど、どんな薬を使えばいいの?」
「私の手荒れには、どんな塗り薬がいいの?」
今回の記事では、そんな悩みに応えるべく、以下のことを紹介しています。
- 手荒れの症状
- 手荒れの薬の選び方
- 手荒れにおすすめの市販薬
ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
手荒れとは
手荒れとは、手や指がくり返し刺激されることによって皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や角化(皮膚が固くなること)、ひび割れ、指紋の消失など様々な症状が生じている状態を指します。医学的には進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)と呼ばれます。
皮膚の表面には「皮脂膜」という皮膚をバリアしている膜があります。しかし、手には皮脂を分泌する組織が少ないため皮脂膜が薄く、そのうえ手は刺激に曝される機会も多いため、肌トラブルが比較的多いです。特に、新型コロナウイルスの流行によりアルコール消毒をする機会が増えたため、手荒れに悩む人が増えていると言われています。
手荒れが進行すると手湿疹という状態になり、皮膚が炎症をおこして赤みのある腫れや水ぶくれができたり、強いかゆみを生じます。手湿疹は市販薬だけで改善しない場合もあり、症状がひどければお近くの皮膚科を受診しましょう。
また、手荒れと勘違いされやすい疾患として、以下のような例があります。
- 汗疱(かんぽう)
- 異汗性湿疹(いかんせいしっしん)
- 手白癬(てはくせん)
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
気になることがあれば、お近くの皮膚科を受診しましょう。その際、患部を写真に撮って症状を記録しておくと良いでしょう。
手荒れの薬の選び方
先ほど紹介したように、手荒れには様々な状態があります。ハンドクリームのみで改善する場合もあれば、炎症を鎮めるためにステロイドを使用した方が良い場合もあります。
- 手荒れを予防したい(乾燥している)
- かゆみを鎮めたい
- ひび割れや傷を治したい
以上の3つの場合に、それぞれの症状に効果的な成分を紹介していきます。
手荒れを予防したい(乾燥している)なら保湿剤
水仕事や掃除などによる物理的刺激、せっけんや洗剤による化学的刺激を受ける機会が多い方は、手荒れになるリスクが高いとされています。そのため、手荒れは主婦、美容師、飲食店員、銀行員の方などに多くみられます。
手荒れ予防として、保湿剤やハンドクリームで日常的に保湿ケアを行い、肌のバリア機能を高めることが重要です。
保湿剤の代表的な成分として、以下のようなものがあります。
ヘパリン類似物質:皮膚にうるおいを与え持続的な保湿効果がある。乾燥肌に有効。
白色ワセリン:皮膚を保護して水分の蒸発を防ぐ。傷口でも刺激を感じにくいが使用感がベタベタしている。
尿素:保湿効果に加えて角質を軟らかくする作用がある。傷口に塗るとピリピリと刺激を感じることも。
成分によってそれぞれ特徴があるので、自分に合う成分を探してみましょう。
また、手荒れ予防として手袋も効果的です。食器洗い、掃除、洗濯などの際に手袋を用いることで、手や指に対する刺激を軽減しましょう。
かゆみを鎮めるならステロイドを配合した塗り薬
手にかゆみや赤みが出ている場合は、炎症を抑えるステロイドを配合した塗り薬を使用しましょう。ステロイド自体にはかゆみ止めの効果はありませんが、炎症を止めることによって結果的にかゆみを鎮めるとされています。
商品によっては、ステロイドとかゆみ止め(抗ヒスタミン剤や鎮静剤など)の成分が配合されたものがあります。より早くかゆみを抑えたい人におすすめです。
ステロイドやかゆみ止めのの代表的な成分として、以下のようなものがあります。
ステロイド:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル
かゆみ止め:ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、クロタミトン
「ステロイドを塗っても、炎症が収まらない!」と皮膚科に駆け込む方が多いですが、ステロイドは「十分な量、十分な期間」使用しないと、十分な効果が得られません。特に、塗る量が足りていないケースが非常に多いと皮膚科医からよく聞きます。
皮膚科学会では、人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量(1FTU)を、両方の手のひらに相当する面積に塗ることが推奨されています(参考:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa39/q03.html)。実際に1FTUという考え方に従って薬を塗ってみると、思っていたよりたくさん塗るんだなと感じるかと思います。
加えて、ステロイドにはストロンゲスト(Ⅰ群)からウィーク(Ⅴ群)まで、5段階で強さのランクがあります(参考:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa1/q07.html)。炎症の程度や炎症が生じている部位に応じたランクのステロイドを選択することが重要です。不安な場合は、お近くの医師や薬剤師に相談してみてください。
ひび割れや傷を治したいならアラントインやパンテノール
指関節のひび割れに水やアルコールが染みて痛みを感じる人は、アラントインやパンテノールという成分がおすすめです。
アラントイン:割れた皮膚組織の修復を助ける成分。
パンテノール:肌細胞の正常な働きを助ける成分。プロビタミンB5とも呼ばれる。
ひび割れた部分に直接塗ることで効果を発揮しますが、痛みが伴うのであれば絆創膏などで覆っても構いません。
なお、水絆創膏と呼ばれるものとは異なります。水絆創膏の成分はピロキシリンと呼ばれ、ピロキシリン自体が皮膚の修復を促すことはなく、傷口を刺激から守るために使用されます。水絆創膏は染みることがありますが、水仕事でも剥がれにくく結果的に傷口の修復を早めてくれます。
手荒れにおすすめの市販薬
ここからは、手荒れの症状別におすすめの市販薬を紹介します。
- 手荒れの予防(乾燥対策)におすすめの市販薬
- かゆみを鎮めるのにおすすめの市販薬
- ひび割れや傷を治すのにおすすめの市販薬
悩みや症状に合った市販薬を選びましょう。
手荒れの予防(乾燥対策)におすすめの市販薬
皮膚が乾燥することによりバリア機能が低下し、手荒れを引き起こします。皮膚にうるおいを与えるおすすめの市販薬は以下の3点です。
- ヒルマイルドクリーム
- ベビーワセリン
- ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム
順番に解説いたします。
ヒルマイルドクリーム
保湿効果のあるヘパリン類似物質を、医療用と同じ0.3%配合したヒルマイルドクリーム。手荒れはもちろん、子どもの乾燥肌にも使用できます。クリームタイプはハンドクリームのように使用できておすすめです。
有効成分(100g中)
ヘパリン類似物質 0.3g
効能効果
手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛
用法用量
1日1〜数回、適量を患部にすりこむか、又はガーゼ等にのばして貼ってください。
ベビーワセリン
0歳の赤ちゃんから使用できる白色ワセリンです。肌の水分や油分を逃さず保護します。ややベタつきがあるため、寝る前に使用するのがおすすめです。
有効成分
白色ワセリン
効能効果
皮膚、口唇を保護します。
皮膚、口唇の乾燥を防ぎます。
皮膚の水分、油分を保ちます。
用法用量
そのまま適量を皮ふ、口唇に塗布してお使いください。
ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム
尿素配合のクリーム。水分を保って肌をみずみずしく保湿することはもちろん、硬くなってしまった皮膚を柔らかくし、古くなった角質を剥がし皮膚をなめらかにする効果があります。ガサガサの手荒れにおすすめです。
有効成分(100g中)
尿素 20g
効能効果
手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症、さめ肌
用法用量
1日数回適量を患部に塗擦してください。
かゆみを鎮めるのにおすすめの市販薬
「かゆい(湿疹・皮膚炎)」→「かく(肌のバリア機能が壊れる)」→「悪化する(さらに炎症がおきる)」という「かゆみループ」を断ち切ることが重要です。炎症を抑えるステロイド成分を含有するおすすめの市販薬は以下の3点です。
- ムヒアルファEX
- オイラックスDX軟膏
- リンデロンVs
順番に解説いたします。
ムヒアルファEX
ステロイド成分のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルが皮膚の炎症を抑え、かゆみ止めの成分のジフェンヒドラミン塩酸塩とクロタミトンがかゆみを鎮めます。l-メントールが含まれており、スーッとした清涼感があります。
有効成分(100g中)
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 1.0g
クロタミトン 5.0g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1.0g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
効能効果
虫さされ、かゆみ、しっしん、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、あせも
用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください。
オイラックスDX軟膏
ステロイド成分のデキサメタゾン酢酸エステルが皮膚の炎症を抑え、かゆみ止めの成分のクロタミトンがかゆみを鎮めます。お子さまからお年寄りまで使用することができ、刺激が少なく患部をしっかり保護します。
有効成分(100g中)
デキサメタゾン酢酸エステル 0.025g
グリチルレチン酸 0.5g
クロタミトン 5g
酢酸トコフェロール 0.5g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
アラントイン 0.2g
効能効果
しっしん、かぶれ、皮膚炎、かゆみ、しもやけ、じんましん、虫さされ、あせも
用法用量
1日数回、適量を患部に塗布して下さい。
リンデロンVs
市販薬のステロイドの中では最も効果の強い、ストロング(Ⅲ群)のステロイド「ベタメタゾン吉草酸エステル」を含有(参考:https://www.shionogi-hc.co.jp/hihushiruwakaru/steroid-column/02.html)。刺激が少なく皮膚の保湿・保護作用が高い軟膏と、べたつきが少なく伸びのよいクリームがあります。
有効成分(100g中)
ベタメタゾン吉草酸エステル 120mg
効能効果
しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん
用法用量
1日1回~数回 適量を患部に塗布してください
ひび割れや傷を治すのにおすすめの市販薬
ひび割れや傷がある場合、患部の皮膚組織を修復したり、保護することが重要です。そんな方におすすめの市販薬は以下の3点です。
- ケラチナミンコーワヒビエイド
- ヒビケア軟膏a
- コロスキン
順番に解説いたします。
ケラチナミンコーワヒビエイド
アラントインとパンテノールがひび割れやあかぎれを修復します。抗炎症作用のあるグリチルレチン酸、角質層のターンオーバーを助けるトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)も含有しています。
有効成分(100g中)
アラントイン 2.0g
パンテノール 5.0g
トコフェロール酢酸エステル 2.0g
グリチルリチン酸 0.3g
グリセリン 40g
効能効果
ひび、あかぎれ、しもやけ
用法用量
1日数回適量を患部に塗布する。
ヒビケア軟膏a
ケラチナミンコーワヒビエイドより含有量は少ないですが、アラントインとパンテノールがひび割れやあかぎれを修復します。ジフェンヒドラミンも含有されているので、かゆみを抑える効果も期待できます。
有効成分(100g中)
アラントイン 0.2g
パンテノール 1.0g
トコフェロール酢酸エステル 0.2g
グリセリン 40.0g
ジフェンヒドラミン 0.5g
効能効果
ひび、あかぎれ、しもやけ
用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください。
コロスキン
別名「水絆創膏」ともいいます。コロスキン自体には傷を修復する成分は含まれていませんが、傷を刺激から保護することで自然治癒を手助けしてくれます。普通の絆創膏ではすぐに剥がれてしまうような水仕事をする方におすすめです。
有効成分(100g中)
ピロキシリン 15.95g
d-カンフル 2.80g
効能効果
小切傷・すりきず・さかむけ・あかぎれ
用法用量
患部を清潔にし、傷部のみに適量を塗りそのまま静かに乾燥させて下さい。
まとめ
今回は手荒れの症状と、症状に応じた市販薬の選び方を紹介しました。ドラッグストアに薬を買いに行くと、たくさん種類があって何が違うのか迷ってしまうケースも多いと思います。この記事が、お悩みに合った市販薬を選ぶ参考となっていれば幸いです。
※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
※掲載内容は執筆時点の情報です。掲載後もなるべく最新の情報に更新するべく、予告なしに変更することがございます。
※内容に関しまして気になる点はお問い合わせフォームにて神田本店にご連絡頂ければと思います。
参考サイト
- https://www.kenei-pharm.com/healmild/products/
- https://www.kenei-pharm.com/baby-waserin/
- https://hc.kowa.co.jp/keratinamin/product01/
- https://www.ikedamohando.co.jp/products/insect_bite/muhi_a_ex.html
- https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/eurax_dx_oint/
- https://www.shionogi-hc.co.jp/rinderon.html
- https://hc.kowa.co.jp/keratinamin/product04/
- https://www.ikedamohando.co.jp/products/chaps/hibicare.html
- http://www.tokyokoshisha.co.jp/product/coloskin.html