風邪薬を飲むと眠くなる理由を薬剤師が解説。眠くならない風邪薬はある?

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

オオギ薬局のブログでの市販薬紹介シリーズ

オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で

  • 法令上通販ができない為に対応ができない
  • 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる

というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。

「風邪薬って飲むと眠たくなるんだよなぁ」

「眠たくなると仕事ができないから困るなぁ」

とお悩みの方はいませんか?

実は、風邪薬には眠気を誘発する成分が含まれる場合があります

しかし、眠気を誘発する成分を含まない風邪薬を選べば、眠くならずにつらい風邪の症状をしっかり抑えられるかもしれません

薬剤師監修のこの記事では、以下の内容について解説しています。

  • 風邪薬(総合感冒薬)とは何か
  • 風邪薬を飲むと眠たくなる理由
  • 眠気を誘発する成分
  • 眠気を誘発する成分を含まない風邪薬を症状別に紹介

ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

風邪薬(総合感冒薬)とは

「風邪薬」のことを医学的な専門用語で「総合感冒薬」と言います。

「感冒(風邪)」は「風邪症候群」とも呼ばれ、一般的にくしゃみ、鼻水、咳、発熱、倦怠感等の諸症状が起こります。

総合感冒薬には諸症状を改善するための成分が複数含まれるため、”総合”感冒薬と呼ばれます。

例えば、頭痛や発熱を治すための薬は解熱鎮痛薬であり総合感冒薬ではありませんが、

解熱鎮痛薬の成分に、咳止めの鎮咳薬が追加されているものは、総合感冒薬と呼ばれることもあります。

それでは、風邪薬を飲むとなぜ眠くなるのでしょうか?

風邪薬を飲むと眠たくなる理由

風邪薬を飲むと眠たくなる理由は、風邪薬に眠気を誘発する成分が含まれている場合があるからです。

眠気を誘発する成分として代表的なものが3種類あります。

それぞれ順番に解説していきます。

抗ヒスタミン薬

風邪をひいたときに、鼻水やくしゃみを止めるために配合されているのが抗ヒスタミン薬です。

ヒスタミンはアレルギーや鼻水くしゃみの原因となる物質で、脳内では眠気を抑えて覚醒状態にする作用もあります。

そのため、抗ヒスタミン薬を服用すると、アレルギーや鼻水くしゃみなどを抑えると共に、覚醒状態から眠気がある状態にしてしまいます。

市販の総合感冒薬には抗ヒスタミン薬が含まれていることが多いため、眠気が出るのです。

市販薬に含まれる代表的な抗ヒスタミン薬は以下の成分です。

  • クロルフェニラミン
  • メキタジン
  • 塩酸ジフェンヒドラミン
  • クレマスチン

上記で紹介したのは風邪薬によく含まれている抗ヒスタミン薬の成分で、それ以外にも抗ヒスタミン薬と呼ばれる成分は多数あります。

催眠作用や鎮静作用を持つ成分

催眠作用や鎮静作用と聞くと、ちょっと怖く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、風邪をひいて体力がなくなっている体を少しでも休めるために大切な成分です。

名の通り、体を落ち着かせるため眠気が出てきます。

風邪をひいたら休んでください、という薬からのメッセージなのかもしれません。

市販薬に含まれる代表的な催眠・鎮静成分は以下の成分です。

  • ブロムワレリル尿素
  • アリルイソプロピルアセチル尿素

咳を止める成分

咳は原因物質に反応して異常を改善しようとする生体防御反応の一つです。

原因物質に反応して咳が出るため、原因物質が排除されない限り、咳の抑制は完全にはできません。

咳を止める成分は、脳の咳中枢に作用して咳を抑えます。

そのため、眠気の副作用が起こりやすいとされています。

咳を止める成分のうち、眠気がでやすいものは主に麻薬性鎮咳薬と呼ばれる、成分名に「コデイン」のつく成分です。

中でも市販薬にもよく入っているジヒドロコデインリン酸は鎮咳効果が強力ではあるものの、眠気が出やすい薬です。

その他にも咳を止める成分には、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ノスカピンと呼ばれる成分もあります。

コデイン系に比べると眠気はでにくいものの、どちらも副作用に眠気の記載が入っています。

まとめると、市販薬に含まれている代表的な咳を止める成分は以下の成分です。

  • ジヒドロコデインリン酸
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
  • ノスカピン

眠くならない風邪薬の選び方

ここまでは、眠気を誘発する成分について解説してきました。

眠くならない風邪薬を選ぶためには、下記の2点を意識すると良いでしょう。

  • 眠くなる成分が入っていない薬
  • 症状に合う成分が入った薬

現在の風邪症状は、どういった症状ですか?

「喉が痛いだけ……鼻水や熱はない」

「鼻水が出るだけ……熱はなく喉の痛みもない」

「微熱なだけで喉や鼻の症状はない」

そういった方は、総合感冒薬を選ぶより、諸症状に特化した市販薬を選びましょう。

全てに効く薬を飲むより早く改善し、眠気も出ないかもしれません。

今回は、風邪の諸症状に合う、眠気の入っていない薬を一部紹介します。

くしゃみ、鼻詰まりに効く市販薬

抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン、メキタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、クレマスチンなど)が眠気を誘発します。

抗ヒスタミン薬の入っていない市販薬として、漢方薬という選択肢があります。

鼻水には小青竜湯というくらい漢方では有名な成分です。

うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出る方の感冒、アレルギー性鼻炎,花粉症などに効果があります。

熱、頭痛、喉の痛みに効く市販薬

解熱鎮痛剤と一緒に含まれていることがある、催眠・鎮静成分(ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素等)が眠気を誘発します。

催眠・鎮静成分が入っておらず、熱や頭痛、喉の痛みに効く市販薬を3つご紹介します。

一つ目は、頭痛や生理痛によく使われる解熱鎮痛剤ロキソニンSです。

有効成分として1錠中にロキソプロフェンナトリウム水和物を68.1mg(無水物として60mg)を含み、眠くなる成分は含まれません。

痛み止めとして効果が高く、つらい痛みに早く効きます。

胃がムカムカするなどの胃腸障害の副作用が起こる恐れがあるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化管疾患がある人は服用できません。

二つ目は、熱冷ましによく使われる解熱鎮痛剤タイレノールAです。

有効成分として1錠中にアセトアミノフェン300mgを含み、眠くなる成分は含まれません。

ロキソニンSを飲むと胃に負担がかかる方にオススメ。胃に優しく、痛みや熱を和らげます。

風邪による悪寒発熱時はなるべく空腹時を避けて服用しましょう。

三つ目は、飲み薬でなく喉の奥に直接消炎成分を届けるスプレータイプのパープルショットです。

created by Rinker
パープルショット
¥739
(2024/04/26 05:17:28時点 Amazon調べ-詳細)

有効成分として1mL中にアズレンスルホン酸ナトリウム水和物0.2mgを含み、眠くなる成分は含まれません。

長いノズルでのどの炎症部に確実に薬剤が届き、メントールを配合しているので口の中がスッキリします。

有効成分「アズレンスルホン酸ナトリウム水和物」がのどの炎症部に直接作用して、喉の痛みやはれの原因である炎症を抑えます。

咳に効く市販薬

咳を止める成分(ジヒドロコデインリン酸、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ノスカピン)が眠気を誘発します。

眠くなる成分が入っていない咳止めとして、麦門冬湯という漢方薬があります。

のどの粘膜を潤してくれる漢方薬で、からぜきによく効きます。

たんが切れにくくのどに絡んだりするときの咳や、気管支炎にも効果があります。

眠くならない風邪薬(総合感冒薬)

「鼻水も出て、喉も痛くて、熱は微熱だけど、どれを選べばいいの?」という諸症状が少しずつ出ている方は、眠気を誘発する成分を含まない総合感冒薬がおすすめです。

眠気が出にくい市販薬はいくつかありますが、パブロン50錠はおすすめです。(パブロン50錠という名前なのに48錠入なのが紛らわしいですが)

15歳未満は服用できませんが、1日3回、1回4錠を服用するので48錠で4日分となります。

1回分の4錠中に、有効成分として下記の3成分を含みます。

  • アセトアミノフェン 150mg(のどの痛みを和らげ熱を下げる)
  • グアヤコールスルホン酸カリウム 80mg(たんを出しやすくする)
  • 麦門冬湯乾燥エキス 600mg(傷んだのど粘膜を修復・潤してたんを除く)

眠気を誘発する成分を含まない、総合感冒薬です。

まとめ

風邪薬を飲むと眠たくなる人とならない人がいますが、薬の効き目や副作用の出方には個人差があります。

髪が早く伸びる人もいれば、髪が伸びるのが遅い人もいます。

同様に、眠たくなる成分に反応しやすい人がいれば、反応しにくい人もいます。

風邪薬で眠たくなりやすいなら、眠くなりにくい薬を選ぶことで生活の質があがるでしょう。

大切なことは日頃の不摂生をなくして健康的な生活をおくること。

休む時はゆっくり休んで、体を労ってあげることです。

それでも風邪薬が必要な時は、是非今回の記事を参考にしていただけたら嬉しいです。

※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
※掲載内容は執筆時点の情報です。掲載後もなるべく最新の情報に更新するべく、予告なしに変更することがございます。
※内容に関しまして気になる点はお問い合わせフォームにて神田本店にご連絡頂ければと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です