ウルソ錠について。効果や副作用、服用方法を薬剤師が解説。

オオギ薬局のブログでの市販薬紹介シリーズ

オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で

  • 法令上通販ができない為に対応ができない
  • 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる

というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。

なんだか最近脂っこいものを食べると胃がもたれるようになってきたな…

そう感じることはありませんか?

胃の調子が悪いせい?ストレスのせい?年齢のせい?

さまざまな憶測が出てくるかもしれませんが、

実は「胃のもたれ」は「肝臓」が弱っているからかもしれません。

そんな肝臓を元気にすると言われているのが、ウルソです。

「胃」のもたれなのに、なぜ「肝臓」が原因なのか。

肝臓を元気にする「ウルソ」とはなんなのか。

詳しく見ていきましょう!

この記事を読むことで、これらのことがわかります。

  • ウルソとは?
  • 胆汁酸の働き
  • ウルソの効果と副作用
  • ウルソに痩せる効果がある?
  • 二日酔いにウルソは効果がある?
  • ウルソ医療用医薬品と一般用医薬品の違い

ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

ウルソとは

ウルソとは、ウルソデオキシコール酸のことをいいます。

ウルソデオキシコール酸は、肝臓で作られる消化液「胆汁酸」の一種です。

ウルソデオキシコール酸は肝臓や胃腸など消化に関わる臓器に広く作用して、脂肪の消化を促進します。

ウルソの解説をする前に、まずは胆汁酸の働きについて見ていきましょう。

胆汁酸の働き

胆汁酸は、脂肪の分解を助ける働きがあります。

胆汁酸が不足することで脂肪の分解が滞り、胃もたれなどの症状が現れます。

胆汁と聞くと、まれに「クマの胆汁?」と思われる方がいますが、そうではありません。

漢方医学で使用される生薬の一種で、クマの胆汁を乾燥した「熊胆(ユウタン)」という生薬があります。

古くから動物の胆汁は薬として使用され、熊胆は特に効果があるとされていました。

その熊胆の主成分を科学的に合成したものが、ウルソデオキシコール酸です。

ウルソデオキシコール酸は体内に存在する成分

肝臓で合成される胆汁酸には、5つの種類が存在します。

コール酸(CA) 一次胆汁酸
ケノデオキシコール酸(CDCA) 一次胆汁酸
デオキシコール酸(DCA) 二次胆汁酸
リトコール酸(LCA) 二次胆汁酸
ウルソデオキシコール酸(UDCA) 二次胆汁酸

肝臓で合成されるタイプ(一次胆汁酸)と、一次胆汁酸が腸内細菌によって変換されて作られるタイプ(二次胆汁酸)があり、

ウルソデオキシコール酸(UDCA)は後者のタイプのひとつです。

この5種類は、油分に違いがあり、ウルソデオキシコール酸は最も油分が少ない胆汁酸です。

【胆汁酸 油分の多い順】

リトコール酸>デオキシコール酸>ケノデオキシコール酸>コール酸>ウルソデオキシコール酸

油分が多い脂肪酸は、細胞膜を破壊してしまうこともあり、細胞障害性が高いと言われています。

すなわち、ウルソデオキシコール酸は油分が少ないことから、細胞障害生が低く、消化器への負担が少ない胆汁酸です。

胆汁酸と腸肝循環について

肝臓で作られた胆汁酸は、十二指腸に分泌されると、腸内細菌により変換され、ウルソデオキシコール酸となります。

小腸で脂肪の消化吸収にはたらいた後、95%以上が門脈を通って肝臓に戻り再利用されます。

このサイクルを「腸肝循環」と言います。

ウルソデオキシコール酸は元々、人の体で作られ、体の中をぐるぐると巡っているのです。

加齢による肝機能低下

加齢や肝臓機能低下により、胆汁酸の量が減ってしまうと、「腸肝循環」するウルソデオキシコール酸の量自体が減って、サイクルが滞ります。

胆汁酸の分泌量低下により、脂肪の消化吸収がうまくできなくなり、胃もたれ等、体の不調につながります。

ウルソ錠の効果と副作用

これまで、胆汁酸の働きについて解説してきました。

要点を整理すると、下記の通りです。

  • 胆汁酸は、脂肪を分解する働きがある。
  • 5種類ある胆汁酸の中で、ウルソデオキシコール酸は最も細胞障害生が低く消化器への負担が少ない。
  • ウルソデオキシコール酸を含む胆汁酸は、元々体内にあるもので、身体の中を巡っている。

それでは、ウルソの効果について見ていきましょう。

効果

「ウルソ」の服用をすることで、元々体内にあるウルソデオキシコール酸を補うことができます。

結果として、腸肝循環のサイクルを復活させ、脂肪の消化吸収だけではなく、総合的に消化器全体の機能を高めます。

また、ウルソには利胆作用と呼ばれる作用もあります。

ウイルスや薬物、アルコールなどにより肝機能が低下し、胆汁の排泄が低下すると、腸肝循環が滞り、肝内外に胆汁酸が蓄積します。(胆汁のうっ滞)

蓄積した胆汁酸が細胞障害性を発現し、さらなる肝機能の悪化を招いてしまう悪循環が生じます。

そこでウルソを投与すると、胆汁酸を毛細胆管に輸送するトランスポーターの発現を促し、胆汁量を増加させることで、胆汁のうっ滞を改善します。

副作用

副作用として、下記の症状が発生する恐れがあります。

間質性肺炎、下痢 、 悪心 、食欲不振 、便秘 、胸やけ 、 胃不快感 、 腹痛、腹部膨満 、嘔吐、そう痒 、 発疹 、蕁麻疹、紅斑 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、全身倦怠感、めまい、白血球数減少

副作用かもしれないなと思った際は、かかりつけ医やお近くの薬剤師までご相談ください。

ウルソに痩せる効果はある?

NHKの番組で「胆汁ダイエット」というワードがあったこともあり、ウルソを服用すれば痩せるのではないかと考えられている方がいますが、ウルソに痩せる効果はありません。

胆汁ダイエットでは、CA(コール酸)の上昇が体重減少に関与しているという報告と、LCA(リトコール酸)、DCA(デオキシコール酸)、そしてCDCA(ケノデオキシコール酸)においてGLP-1分泌作用が認められているという報告があったために「胆汁ダイエット」という名目で番組が放送されていました。

ウルソデオキシコール酸の置換効果とは?

ウルソデオキシコール酸を服用することで、細胞障害性の高い胆汁酸が細胞障害性のないウルソに置き換わり、肝障害が軽減するとされています。

これを置換効果と言います。

ウルソが最も多く使われる慢性肝炎においては、この置換効果がメインとなると考えられており、むしろ細胞障害性の高い胆汁酸のCA(コール酸)、LCA(リトコール酸)、DCA(デオキシコール酸)、そしてCDCA(ケノデオキシコール酸)はむしろ減少してしまいます。

つまり、ウルソにダイエット効果は期待できません。

ウルソデオキシコール酸は胆汁分泌を促進する作用(利胆作用)により胆汁うっ滞を改善する。また、投与されたウルソデオキシコール酸は肝臓において、細胞障害性の強い疎水性胆汁酸と置き換わり、その相対比率を上昇させ、疎水性胆汁酸の肝細胞障害作用を軽減する(置換効果)。さらに、ウルソデオキシコール酸はサイトカイン・ケモカイン産生抑制作用や肝臓への炎症細胞浸潤抑制作用により肝機能を改善する。そのほか、上記の胆石溶解作用、消化吸収改善作用が知られている。

ウルソ錠 添付文書【薬効薬理】5.作用機序より

お酒を飲み過ぎた時にウルソを飲むとどういう効果がある?

お酒を飲みすぎると、肝臓に負担がかかるのはなんとなく想像できるのではないでしょうか?

実際体の中ではどのようなことが起きているのか、詳しく見ていきましょう。

アルコールが解毒される流れ

アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素によって、アセトアルデヒドに分解されます。

さらにアルデヒド脱水素酵素で細胞障害のない成分(酢酸)まで分解、解毒されます。

アルコールが大量に体内に入ることで、アルコール脱水素酵素やアルデヒド脱水素酵素の量が追いつかなくなり、肝臓内にアセトアルデヒドが残ります。

アセトアルデヒドは細胞障害性が確認されており、肝細胞の障害と二日酔いの原因となります。

二日酔いでウルソを服用するとどうなる?

ウルソを服用することにより、腸肝循環がスムーズに回り、肝細胞の再生が早まります。

結果的にウルソが肝細胞保護の役割をしてくれるわけですが、ウルソ自体が二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを解毒する効果はありません。

お酒の飲み過ぎで、二日酔いになったことのある方は、肝臓が傷ついています。

肝臓は再生力の強い臓器で、病気になっても症状が出にくいため、自覚症状は無いことが多く、気づいた時には炎症が慢性化していることがあります。

それゆえに肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれます。

炎症が慢性化すると元にもどらなくなるため、日頃からいたわりと注意が必要です。

ウルソ錠の服用方法や注意点

ウルソは、胆道閉塞のある方や劇症肝炎の方は、症状が増悪する恐れがあり使用することができません。

膵疾患のある方、消化性潰瘍のある方、胆管に胆石のある方も、増悪の恐れがあり医師の指導のもと慎重に使用する必要があります。

糖尿病薬や制酸剤など、同時に服用すると相互作用をきたしてしまう薬剤もいくつかあります。

処方薬を服用する際は、医師や薬剤師の指示に従ってください。

市販薬を服用する際は、パッケージや添付文書の注意書きをしっかりとお読みください。

ウルソ錠:市販薬と処方薬の違い

ウルソには、市販薬と処方薬があります。

市販薬と処方薬、どちらにも「ウルソデオキシコール酸」が含まれていますが、違いが3つあります。

1点目は、入手経路です。

市販薬はドラッグストア等で購入できますが、処方薬は医師の処方箋がなければ入手することはできません。

2点目は、使用目的です。

市販薬は胃もたれや食べ過ぎ等に対するセルフケアとして使用しますが、処方薬は消化器系の疾患に対する治療として使用されます。

3点目は、用法用量です。

製品や疾患により用法用量は異なりますが、市販薬よりも処方薬の方が多い量服用することが多いです。

それでは、市販薬と処方薬について製品ごとに詳しく見ていきましょう。

市販薬(一般用医薬品)の紹介

一般用医薬品として錠剤で販売されているものを2つご紹介します。

タナベ胃腸薬ウルソ

医療用医薬品のウルソを開発した東京田辺製薬(現:田辺三菱製薬)が販売している商品です。

腸で吸収されたウルソデオキコール酸は、肝臓・胆嚢を通って腸内に排出され、再び腸で吸収されます。このサイクルを「腸肝循環」といい、UDCAが胃腸だけでなく肝臓・胆嚢にも長時間にわたって働きかけます。だから、「1日1錠」の服用で「消化器系のメンテナンス」に効果を発揮します。

歳を重ねたせいか、脂っこい料理を食べると胃がもたれる。それは脂肪等の消化吸収を助ける胆汁酸の分泌が低下することが原因の一つです。UDCAは胆汁酸の分泌を促進することによって、脂肪による「胃もたれ、消化不良」を改善します

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レバウルソゴールド

ウルソデオキシコール酸に加え、リボフラビン(ビタミンB2)やアスコルビン酸(ビタミンC)等のビタミン群が含まれています。

L-システインが体の代謝を高めて滋養強壮に効果をあらわします。

滋養強壮、虚弱体質、胃腸障害時などの場合の栄養補給に効果をあらわします。

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処方薬(医療用医薬品)

医療用医薬品には、先発医薬品(新薬)と後発医薬品(ジェネリック医薬品)があります。

ウルソ錠(先発品)

田辺三菱製薬より、ウルソ錠50mgとウルソ錠100mgの2種類が販売されています。

ウルソデオキシコール酸錠(後発品)

東和薬品
ウルソデオキシコール酸錠50mg「トーワ」
ウルソデオキシコール酸錠100mg「トーワ」

日本ジェネリック
ウルソデオキシコール酸錠50mg「JG」
ウルソデオキシコール酸錠100mg「JG」

武田テバファーマ
ウルソデオキシコール酸錠50mg「テバ」
ウルソデオキシコール酸錠100mg「テバ」

沢井製薬
ウルソデオキシコール酸錠100mg「サワイ」

全星薬品
ウルソデオキシコール酸錠100mg「ZE」

まとめ

いかがだったでしょうか?

この記事では下記の内容について解説してきました。

  • ウルソとは?
  • 胆汁酸の働き
  • ウルソの効果と副作用
  • ウルソに痩せる効果がある?
  • 二日酔いにウルソは効果がある?
  • ウルソ医療用医薬品と一般用医薬品の違い

ウルソにはダイエット効果やアルコール解毒効果はありませんが、脂っこい食べ物が多い方や飲酒の機会が多い方は、消化器保護のためにウルソの服用がオススメです。

この記事の内容がお役立ていただければ幸いです。

※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
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