トラネキサム酸(トランサミン)は美白に効果がある?副作用など薬剤師が解説!

「いつまでもシミのない綺麗な肌でいたい。」
「美白のためにトランサミンを服用したいけれど、本当に効果があるの?」

トランサミンやトラネキサム酸という名前は聞いたことがあっても、実際の効果や注意点を知らない方は必見です。

この記事を読むと以下のことがわかります。

  • トランサミンの美白効果の本当のところ
  • トランサミンの副作用や服用において注意するべきポイント
  • トランサミンやその成分のものが購入できる方法があるのか

是非最後までチェックしてみてくださいね。

トランサミン(トラネキサム酸)とは

医療機関で処方される医薬品が「トランサミン」という商品名で、トランサミンに含まれる有効成分を「トラネキサム酸」と言います。
(※この記事では便宜上、基本的に成分のほうの「トラネキサム酸」と表記いたします。)

トラネキサム酸は、人工的に合成されたアミノ酸の一種です。

その効能効果は多岐にわたり、止血効果や炎症・アレルギーを抑える効果もあり、長く医療の現場で用いられています。

例えば扁桃炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状、というのがもともあり、風邪のときに病院等で処方されたりした方もいらっしゃると思います。

それがなぜ、「美白」「肝斑」という効能に注目されたかというと、2002年に厚生労働省からトラネキサム酸は肝斑に効果があると、市販薬でこの成分が含有された製品に関して認められたことから「肝斑や美白にはトラネキサム酸」と認知されるようなったという経緯があります。

ですので厳密には、医療用として使用されている「トランサミン」に関しては実は「肝斑」「シミ」等の効能はかかれていません。
例えば皮膚科でも、保険適応でこの美容目的では処方することができません。(実情として処方しているクリニックがあるかどうかはここでは触れません。笑)

同じ成分の市販薬では認められている効能効果が、医療用医薬品の同成分では保険適応上認められていない、ということになります。

トラネキサム酸に美白効果はあるのか

トラネキサム酸の美白効果は厚生労働省により、肝斑に使われることが示されています。(そういう市販薬があります)

また、全てのしみに効果が認められているワケではなく「肝斑のみ」の記載となっています。

では、実際にトラネキサム酸の美白作用について見ていきましょう。

トラネキサム酸の2つの作用

トラネキサム酸の作用は2つあります。

  1. 炎症を抑える作用
  2. メラニン色素の生成を抑える作用

ここからは少し専門的な話になりますが紫外線を浴びると、メラノサイト活性化因子の「プラスミン」と「プロスタグランジン」が誘発されます。

「プラスミン」は血が固まるのを防ぐ効果や炎症反応、アレルギーにも関わっています。

肌がニキビや日焼けなどの刺激を受けた後、炎症が起きた箇所を治そうと体はメラニン色素を生成します。

「プロスタグランジン」はメラニン色素を作るときに必要になる物質です。

メラノサイト活性化因子はその名の通り、「メラノサイト」という神経細胞にシミの原因であるメラニン色素を作らせる司令を出します。

トランサミンはメラノサイト活性化因子の「プラスミン」と「プロスタグランジン」の働きを抑えることでメラニン色素の生成を抑え、炎症によるシミを予防します。

結果としてニキビや紫外線ダメージによるシミを抑制する効果があると考えられています。

トランサミンの美白以外の効果

トランサミンは美白効果だけではなく、炎症を抑える効果と、出血を抑える効果が古くから認められています。

医療の現場では長く、湿疹やじんましんの治療、扁桃炎・咽喉頭炎、口内炎などにも処方される医薬品として親しまれてきました。

歯磨き粉に対して使われることもあり、比較的安全性の高い成分であると考えられています。

炎症を抑える効果

トランサミンは「プラスミン」という炎症や痛みの原因となる物質を抑制する効果があります。

炎症が悪化して赤み、腫れ、痛みなどが出ることを防ぐため、喉の炎症や痛み、口内炎の症状緩和に使用されています。

出血を抑える効果

「プラスミン」は血が固まるのを止める物質でもあります。

血管が傷ついて出血した際、かさぶたができたことはありますよね。

ある程度時間が経つと、かさぶたは徐々になくなって正常な肌に戻っていきます。

プラスミンは、血が固まって、かさぶたができ血管の修復が終わり、不要になった血管内の血栓を溶かしてくれる役割をしています。

しかしなんらかの原因で、プラスミンが過剰に働きすぎてしまうと、不要になった血栓を溶かすだけでなく必要な血栓も溶かしてしまいます。

必要な血栓も溶かしてしまうことで、出血が止まらないことが起こります。

トラネキサム酸は「プラスミンの働きを抑制する」ため、止血効果があります。

プラスミンの働きを抑制する効果は、生理時の月経過多の人にも有効です。

月経過多の人に対して、トラネキサム酸生理の経血量が減らしたり不正出血に対して処方されることもあります。ただし、経血量が減るだけで、完全に止まるというわけではありません。

トラネキサム酸の副作用と服用において注意するべきポイント

トラネキサム酸には、以下の副作用が報告されております。
(医療用医薬品のトラネキサム酸の記載です)

総症例数2,954例中報告された主な副作用は食欲不振0.61%(18件)、悪心0.41%(12件)、嘔吐0.20%(6件)、胸やけ0.17%(5件)、そう痒感0.07%(2件)、発疹0.07%(2件) 等であった。

トランサミン添付文書【使用上の注意】3.副作用より引用

トランサミンの服用において注意するべきポイントは以下の3点です。

トロンビンを服用している方

トロンビン(止血剤)を服用している方は、トランサミンを服用することができません。

なぜなら、血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大するためです。

経口避妊薬(低用量ピル)等の女性ホルモン製剤を服用している方

トラネキサム酸と併用することで血栓症のリスクとなる可能性あります。

トラネキサム酸を服用する前に、医師または薬剤師と相談すると良いでしょう。

血栓のある方および血栓症リスクのある方

トラネキサム酸の投与により線溶系が抑制され、血栓を安定化するおそれがあります。

脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等の血栓のある方および血栓症リスクのある方は、トラネキサム酸を服用する前に、医師または薬剤師と相談すると良いでしょう。

トラネキサム酸の購入・購入時の注意点

トラネキサム酸を含む製品は、下記の3つの規制区分で販売されています。

  • 一般用医薬品(市販薬)
  • 医薬部外品(薬用化粧品)
  • 医療用医薬品(処方薬)

順番に見ていきましょう。

一般用医薬品(市販薬)

有効成分としてトラネキサム酸が含まれる一般用医薬品(市販薬)は2022年11月25日時点で78種類ありますが、その中で肝斑の効能・効果を有する製品はトランシーノⅡの1種類だけです。

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トランシーノⅡの概要は以下の通りです。

商品名 トランシーノⅡ
規制区分 第1類医薬品
効能効果 しみ(肝斑に限る)
用法用量 成人(15歳以上):1日2回、1回2錠を食後に服用
15歳未満:服用しないで下さい。
成分分量 トラネキサム酸 750mg
L-システイン 240mg
アスコルビン酸(ビタミンC) 300mg
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) 6mg
パントテン酸カルシウム 24mg

トランシーノⅡ以外にも、かぜ薬やせき止め等にトラネキサム酸が配合されている市販薬はありますが、それらの効能・効果に「しみ」とは書かれておりません。

トランシーノが発売されたのが、まさにトラネキサム酸に係る医薬品の大きな分岐点でした。もとから医療業界では、肝斑への改善の期待がされていたのですが、実際にその効能に対して特化してパッケージを作って販売されたときには衝撃を受けました。トラネキサム酸の美容目的使用の大きなきっかけになったかと思います。トラネキサム酸の用量として「750mg」です。美容皮膚科で自費だともう少し用量多く使用されることも現状あるかと思いますが、市販薬だとこの成分量になります。

医薬品は、使用上の注意に則って適切に使用することが大切です。

また、参考情報として、トランシーノⅡに類似した商品として「トランシーノ ホワイトCクリア」という製品もあります。

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トランシーノ ホワイトCクリアの概要は以下の通りです。

商品名 トランシーノ ホワイトCクリア
規制区分 第3類医薬品
効能効果 しみ、そばかす等による色素沈着の緩和 他
用法用量 成人(15歳以上):1日2回、1回2錠を朝夕に服用
7歳以上15歳未満:1日2回、1回1錠を朝夕に服用
7歳未満:服用しないで下さい。
成分分量 アスコルビン酸(ビタミンC) 1000mg
L-システイン 240mg
コハク酸d-α-トコフェロール 50mg
リボフラビン 6mg
ピリドキシン塩酸塩 12mg
ニコチン酸アミド(ビタミンB3) 60mg

こちらに関しては、「トラネキサム酸を含んでいない」ということにくれぐれもご注意ください。トランシーノは、承認の段階で「休薬期間を設ける」という形になっています。その間にはこちらを服用してください、というメーカーの思惑(やさしさ?)が垣間見えますね。

医薬部外品(薬用化粧品)

先ほど市販薬として紹介したトランシーノシリーズは、医薬部外品(薬用化粧品)としても展開されています。

トラネキサム酸が含まれる化粧品が多数ラインナップされており、下記5点がセットになったトライアルセットがあります。

  • メイク落とし
  • 洗顔料
  • 化粧水
  • 乳液
  • クリーム

医療用医薬品(処方薬)

医療用医薬品としてのトラネキサム酸含有製品を入手するためには、基本的に医師の診察を受ける必要があります。

医療用医薬品は、先発品と後発品(ジェネリック医薬品)に分けられます。

先発品のトランサミンは、下記の5種類の剤型があります。

  • 錠剤
  • カプセル剤
  • 散剤
  • シロップ剤
  • 注射剤

トランサミンは下記の疾患の治療として用いられ、肝斑への使用は保険適応外となります。

  • 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)
  • 局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
  • 下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒等の症状(湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹)
  • 下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状(扁桃炎、咽喉頭炎)
  • 口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター

トランサミン添付文書【効能・効果】3.副作用より引用

トランサミンの用法用量は下記の通りですが、医師に指示された量を服用してください。

トラネキサム酸として、通常成人1日750〜2,000mgを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

トランサミン添付文書【用法・用量】3.副作用より引用

トランサミンの後発品(ジェネリック医薬品)は複数の製薬会社から販売されておりますが、オオギ薬局で取り扱いがあるのはこちらの製品です。

  • トラネキサム酸錠「YD」 250mg錠/500mg錠

まとめ

この記事では、トランサミンについて解説してきました。

なんとも不思議な薬です。効能効果が多岐に渡ること、様々な位置づけで販売しているので、区別して上手に利用したい製品です。

肝斑改善効果だけでなく、喉の痛みや口内炎などにも使用するため、日常的にも接する機会が多いかもしれません。

例えば市販でトラネキサム酸製剤を服用中、咽頭炎で耳鼻科で処方されて重複してしまう、ということもあるので注意が必要です。

また、「美白についてはトランサミンを飲めば全て解決!」とはなりません。

  • 日々のスキンケアを怠らない
  • バランスの良い食事で栄養を摂る
  • 紫外線対策を徹底する
  • 規則正しい生活を送る

など、日常生活を見直すことも効果的に美肌をキープする方法です。

日頃から自分の肌を労って、健康的な美肌を目指しましょう。

※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
※掲載内容は執筆時点の情報です。掲載後もなるべく最新の情報に更新するべく、予告なしに変更することがございます。
※内容に関しまして気になる点はお問い合わせフォームにて神田本店にご連絡頂ければと思います。

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