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オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で
- 法令上通販ができない為に対応ができない
- 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる
というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。
日本で新たに承認され、発売が予定されている肥満改善薬「アライ」。アライは内臓脂肪や腹囲、体重を減らす効果のある医薬品で、脂肪吸収を阻害することで体内に吸収されるはずだった脂質を体外に排泄させる作用があります。
アライの有効成分であるオルリスタットは、世界100以上の国ですでに使用されており、日本人を対象に行われた臨床試験でも、内臓脂肪、腹囲、体重の減少が確認されています。
「アライの対象はどんな人?」「アライの副作用は?」「アライの発売はいつ?」「アライはどこで買える?」そんな疑問に薬剤師がお答えします。ぜひ最後までチェックしてみてください。
肥満改善薬「アライ」とは
アライとは、内臓脂肪と腹囲を減少させる効果があり、体重減少も認められている医薬品です。アライは販売名(商品名)で、一般名(有効成分)はオルリスタットです。
医薬品を発売するにあたり必要となる「製造販売承認」を取得したことが報道されており、現在は発売準備中となっております。2024年4月8日(月)に発売されました。(参考:大正製薬ホームページ)(2024年5月13日追記)
脂肪を吸収しにくくする効果がある
本来、食事によって摂取した脂質はリパーゼが分解することで、小腸などの消化管から体内に吸収されます。
アライは、リパーゼのはたらきを阻害することで脂質の吸収をさまたげ、体内に吸収されるはずだった脂質をからだの外へ排泄する作用があります。
脂質が体内に吸収されずに排泄されるため、内臓脂肪や腹囲、体重を減少させる効果があります。
国内で初めて承認された肥満改善薬
2023年2月17日、大正製薬株式会社は内臓脂肪減少薬「アライ」の製造販売承認を取得したことを発表しました。(参考:大正製薬ホームページ)
アライの有効成分であるオルリスタットのグローバルな使用実績は以下の通りです。
- 医療用医薬品:1997年にアルゼンチンで承認され、2023年現在100カ国以上で使用されている。
- 一般用医薬品:2007年にアメリカで承認され、2023年現在70カ国以上で使用されている。
日本においては、医療用医薬品での発売を経ずにOTC医薬品として承認される「ダイレクトOTC」として、アライが発売されることとなりました。
効果について
海外では使用実績が豊富なオルリスタット。果たして日本人でも外国人と同様の効果が得られるのでしょうか。
日本で行われたアライの検証試験として、日本人200人を
- アライを24週間服用する人 100人
- プラセボ(偽薬)24週間服用する人 100人
にランダムに振り分け「内臓脂肪が減少するか」「腹囲が減少するか」「体重が減少するか」「副作用はどうか」などを検証する臨床試験が行われました。(被験者には、自分がアライを服用しているのか、プラセボを服用するのか、知らされていません。)
臨床試験の結果として、アライを服用した人たちの平均数値の変化は以下の通りでした。
- 内臓脂肪面積:121.54cm2 → 105.31cm2
- ウエスト周囲長:97.64cm → 95.16cm
- 体重:80.38kg → 78.24kg
いずれも、プラセボの服用していた人たちよりも数値の減少が大きかったことが統計学的に検証され、日本人でもアライを服用することで内臓脂肪、腹囲、体重が減少することが証明されました。
また、日本人120人がアライを52週服用する長期投与試験では、以下の通りに平均数値が変化しました。
- 内臓脂肪面積:130.90cm2 → 103.01cm2
- ウエスト周囲長:96.86cm → 92.56cm
- 体重:78.25kg → 74.25kg
以上より、アライを効果をまとめると以下のようになります。
- 半年服用すれば、ウエストが約2.5cm細くなり、約2.1kg痩せる。
- 一年服用すれば、ウエストが約4.3cm細くなり、約4.0kg痩せる。
肥満改善薬「アライ」の対象になる人
アライは要指導医薬品として発売される予定であり、購入するには薬剤師から対面で説明を受ける必要があります。アライを購入するにあたり、以下の2つの条件を満たす必要があります。
腹部が太めな方※の内臓脂肪および腹囲の減少(生活習慣改善の取り組みを行っている場合に限る)
※)腹囲(へその高さ):男性85cm以上、女性90cm以上
→生活習慣改善の取り組みを行なっていない方、腹囲が基準未満の方は使用不可
成人(18歳以上)1回1カプセル
1日3回、食事中又は食後1時間以内に服用すること
→18才未満の方は使用不可
副作用について
アライは、本来体内に吸収されるはずの脂質の吸収をさまたげ、からだの外へ排泄します。そのため、以下の副作用が起こる可能性があります。
- おならをすると便が漏れる
- 気づかない間に肛門から油が漏れる
- 便が油っぽくなる
- 便が近くなる
- 便を我慢できない
- お腹が張る
- 下痢
- 腹痛
特に「おならをすると便が漏れる」「気づかない間に肛門から油が漏れる」の2つは発生頻度が高く、それぞれアライを服用した人の20%程度で現れる副作用です。
これらの副作用は生活の支障をきたす可能性があり、生理用ナプキン、尿取りパッド、大人用オムツなどで対策すると良いでしょう。
また、正常範囲内ではあるようですが、脂溶性ビタミンの減少も確認されています。体調に異変を感じたら医師や薬剤師に相談しましょう。
肥満改善薬「アライ」の発売はいつ?どこで買える?
アライは、現在発売に向けて準備中であり、製造販売業者である大正製薬から発売日は告示されておりません。そのため、いつ発売されるか明確な時期は不明です。2024年4月8日(月)に発売されました。(参考:大正製薬ホームページ)(2024年5月13日追記)
ここからは一般論ですが、新薬が承認されてから実際に発売されるまで、おおよそ2〜3ヶ月程度かかります。アライは2023年2月17日に製造販売承認を取得したことが発表されたため、2023年の4〜5月頃に発売されるのではないかと推測されます。
アライは、要指導医薬品という販売区分で発売される予定ですています。要指導医薬品は、購入に際して薬剤師の対面による説明が義務付けられており、Amazonなどのインターネット通販では購入することができません。アライが発売されたら、お近くの薬局やドラッグストアに問い合わせてみましょう。
下記のURLから、Webサイトにてアライの取扱販売店を検索できます。取扱販売店の店頭にて、薬剤師による説明を受けてから購入しましょう。(2024年5月13日現在、オオギ薬局ではアライの取り扱いはありません。)
アライ取扱販売店検索:https://maps.taisho.co.jp/alli/
まとめ
肥満を改善する、期待の新薬「アライ」。期待される効果や副作用、発売や購入に関する情報をお伝えしてきました。この薬のメリットとデメリットをしっかりと認識した上で、気になる方はニュースなど最新の情報をチェックしましょう。
※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
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