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オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で
- 法令上通販ができない為に対応ができない
- 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる
というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。
今回は【フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」(旧名:スミルスチック3%)】について解説します。
この記事を読むことで、これらのことが分かります。
- フェルビナクスチック軟膏の効果や使い方
- スミルスチックとフェルビナクスチック軟膏の違い
- フェルビナクスチック軟膏と同じ成分の市販品の一覧
ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
フェルビナクスチック軟膏とは
フェルビナクスチック軟膏は痛みや炎症を抑える塗り薬で、スティックのりのような形状をしています。
有効成分「フェルビナク」が1g(1,000mg)の中に30mg含まれ、フェルビナクが痛みや炎症のもとである「プロスタグランジン」を抑えることで鎮痛・抗炎症作用を発揮します。
使用目的は幅広く、添付文書(医薬品の情報に関して国が承認した公的文書)の【効能・効果】の項目には、下記の疾患あるいは症状の鎮痛・消炎に使用できると書いてあります。
- 変形性関節症
- 筋・筋膜性腰痛症
- 肩関節周囲炎
- 腱・ 腱鞘炎
- 腱周囲炎
- 上腕骨上顆炎(テニス肘等)
- 筋肉痛
- 外傷後の腫脹・疼痛
添付文書の【用法・用量】の項目には「症状により、適量を1日数回患部に塗擦する。」と記載されております。
要するに、1日の使用量について明確な規定はないということであり、痛みを感じたタイミングで塗ると良いでしょう。
使い方、使用上の注意、保管および取扱い上の注意に関しては、下記のイラストをご覧ください。
フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」製造販売元の三笠製薬株式会社のWebサイトより引用
注意点として、フェルビナクスチック軟膏による鎮痛・抗炎症作用は、原因療法ではなく対症療法であるということです。
例えば関節痛に対して鎮痛作用を期待してフェルビナクスチック軟膏を使用する場合、関節痛の代表的な原因である「関節リウマチ」や「変形性関節症」のような病気そのものに対して効くわけではありません。
あくまで関節痛という症状に対して、一時的に痛みを和らげるのがフェルビナクスチック軟膏の効果です。
フェルビナクスチック軟膏を使用しても痛みや炎症が続く場合は、必ず医療機関を受診してください。
スミルスチックの名称変更
2020年12月、下記のように販売名が変更されました。
旧販売名:スミルスチック3%
新販売名:フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」
名前が変わっただけなので【スミルスチック3%】と【フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」】の有効性や安全性は全く同じです。
様々な医薬品が「販売名変更」(一般名に変更)となっています
医薬品には「一般名」と「販売名(商品名)」があります。
一般名とは、医薬品の主な有効成分(主成分)の名前です。
販売名(商品名)とは、医薬品を製造した製薬会社がつけた名前です。
同じ有効成分の医薬品が複数の製薬会社から販売されていることは多々ありますが、それぞれ販売名が異なると紛らわしいですよね。
そのため、様々な医薬品の販売名が、一般名+ブランド名に変更されております。
今回はフェルビナクスチック軟膏について取り上げておりますが、他にも下記のように医薬品の名称が変更されております。
旧 | 新 |
マグラックス330mg | 酸化マグネシウム錠330mg「ヨシダ」 |
ビーソフテンクリーム0.3% | ヘパリン類似物質クリーム0.3%「日医工」 |
スチブロン軟膏 | ジフルプレドナート軟膏0.05%「イワキ」 |
市販品(OTC)で同成分のものがあるか
ここまで解説してきたように【フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」】と【スミルスチック3%】は同じ製品であり、どちらも有効成分に「フェルビナク」が含まれています。
フェルビナクスチック軟膏は当店にご来店いただければ病院の診察なしでご購入いただけますが、ご来店が難しい方も「フェルビナク」を含む市販品(OTC)をAmazon等のネットショップでお買い求めいただくことも可能です。
下記3つの医薬品は、どれもフェルビナクを3%含有しており、フェルビナクスチック軟膏と同じスティックのりのような形状で手を汚さずに患部に塗ることができます。
製品名 | フェイタスチックEX | ゼノールエクサムSX | ゼノールエクサムFX |
製品写真 | |||
容量 | 53g | 43g | 32g |
100g中の成分 | フェルビナク 3.0g l-メントール 6.0g |
フェルビナク 3.0g l-メントール 3.0g |
フェルビナク 3.0g l-メントール 2.7g |
特徴 | 容量が最も多い。 l-メントールの含有量が多く 清涼感が強い。 |
容量はフェルビナクスチック 軟膏3%「三笠」(40g)と同程度。 |
容量が最も少ない。 持ち運び便利で狭い箇所にも 塗りやすいスリムタイプ。 ほのかなフローラルグリーンの香り。 |
まとめ
この記事では下記の内容について解説してきました。
- フェルビナクスチック軟膏の効果や使い方
- スミルスチックとフェルビナクスチック軟膏の違い
- フェルビナクスチック軟膏と同じ成分の市販品の一覧
フェルビナクスチック軟膏を病院で処方されて使用している方は、当店にご来店いただければ病院の診察なしでご購入いただけますし、ご来店が難しい方も「フェルビナク」を含む市販品(OTC)で代用することも可能です。
この記事の内容がお役立ていただければ幸いです。
※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
※掲載内容は執筆時点の情報です。掲載後もなるべく最新の情報に更新するべく、予告なしに変更することがございます。
※内容に関しまして気になる点はお問い合わせフォームにて神田本店にご連絡頂ければと思います。
参考サイト
- https://www.mikasaseiyaku.co.jp/archives/8126
- https://www.mikasaseiyaku.co.jp/wp/wp-content/uploads/2ed39108568785c668bdfab427ae1182.pdf
- https://www.mikasaseiyaku.co.jp/wp/wp-content/uploads/65bebd007374c88ad6a6cc12d8eecfa9.pdf
- https://www.mikasaseiyaku.co.jp/wp/wp-content/uploads/d534688bf10ae19ae183771dcbbd14ad.pdf
- https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000274nz-att/2r985200000275tj.pdf
- https://www.hisamitsu.co.jp/healthcare/products/062.html
- https://www.taiho.co.jp/chc/brand/zenol/product/zensx/
- https://www.taiho.co.jp/chc/brand/zenol/product/zenfx/