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オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で
- 法令上通販ができない為に対応ができない
- 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる
というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。
「毎月の生理痛が本当につらい…」「どの痛み止めを飲めばいいのか分からない…」
多くの女性が抱える生理痛(月経困難症)の悩み。日常生活や仕事に支障が出てしまうほどの痛みでも、「生理だから仕方ない」と我慢してしまっていませんか?
生理痛は、決して我慢すべき痛みではありません。正しい知識を持って、ご自身の症状や体質に合った薬を選ぶことで、つらい痛みを効果的に和らげることができます。
日本の調査では、生理をはじめとする月経随伴症状による社会経済的負担は年間6,828億円にものぼると推定されており、そのうち約7割が労働損失によるものだと報告されています。 このことからも、生理痛は個人の問題だけでなく、社会全体で取り組むべき健康課題であることが分かります。
この記事では、オオギ薬局の薬剤師が、生理痛のメカニズムから、症状・タイプに合わせた市販薬の選び方、薬の効果を最大限に引き出すためのポイント、そして薬以外のセルフケア方法まで、専門的な視点から徹底的に解説します。
注:記事内で紹介している「市販薬」はあくまで対症療法です。痛みが強い場合や続く場合は、背景に病気が隠れている可能性もあるため、婦人科の受診も大切な選択肢です。
なぜ生理痛は起こるの?痛みの原因を徹底解説

効果的な対策を知るためには、まず「なぜ痛みが起こるのか」を理解することが大切です。生理痛の背景には、体の中で起こる特定の物質の働きが大きく関係しています。
痛みの主な原因は「プロスタグランジン」
生理痛の最大の原因物質、それは「プロスタグランジン」というホルモンに似た生理活性物質です。
妊娠が成立しなかった場合、不要になった子宮内膜は剥がれ落ち、経血として体の外に排出されます。このとき、子宮内膜からプロスタグランジンが大量に放出されます。
このプロスタグランジンには、主に次のような働きがあります。
- 子宮を収縮させる: 経血を体外に押し出すために、子宮の筋肉をギュッと収縮させます。この物質が過剰に分泌されると、子宮の収縮が必要以上に強くなり、陣痛のような激しい痛み(下腹部痛)を引き起こします。
- 痛みを強める: 痛みの神経を過敏にし、普段なら感じないような刺激も痛みとして感じやすくさせます。
- 全身の不調を引き起こす: 血液に乗って全身に運ばれると、消化管の筋肉にも影響を与え、吐き気や下痢といった症状の原因となります。また、血管を収縮させることで頭痛を引き起こすこともあります。
実際に、生理痛が重い女性の経血中には、症状が軽い女性に比べて非常に高濃度のプロスタグランジンが含まれていることが分かっています。 つまり、市販の鎮痛薬の多くは、このプロスタグランジンの産生をいかに抑えるかという点に着目して作られています。
生理痛には2つのタイプがある
生理痛は、その原因によって大きく2つのタイプに分けられます。 ご自身の痛みがどちらのタイプに近いかを知っておくことも重要です。
- 機能性月経困難症: 子宮や卵巣にはっきりとした病気がないにもかかわらず起こる生理痛です。 主にプロスタグランジンの過剰分泌が原因で、特に若い女性に多く見られます。
- 器質性月経困難症: 子宮内膜症や子宮筋腫といった何らかの病気が原因で起こる生理痛です。 年齢とともに痛みが悪化する、生理期間以外にも痛みがあるなどの特徴が見られます。
この記事では、主に「機能性月経困難症」に対する市販薬での対処法を中心に解説します。もし器質性月経困難症が疑われるサイン(後述します)がある場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、婦人科を受診することが不可欠です。
痛みを悪化させる要因
プロスタグランジンの影響に加えて、以下のような要因が痛みをさらに悪化させることがあります。
- 冷え: 体が冷えると、骨盤内の血行が悪くなります。血行不良は子宮の筋肉を硬くし、痛みを増強させる原因となります。
- ストレス: 精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させたり、痛みをより強く感じさせたりする可能性があります。
- ライフスタイルの乱れ: 睡眠不足や不規則な食生活、運動不足なども、ホルモンバランスや血行に影響を与え、痛みを悪化させる一因となります。
【薬剤師が解説】生理痛の市販薬、主成分の違いとは?

ドラッグストアに行くと、数多くの鎮痛薬が並んでいて、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。生理痛の薬は、配合されている「主成分」によって、作用の仕方や特徴が異なります。
ここでは、代表的な2つの鎮痛成分、「NSAIDs」と「アセトアミノフェン」の違いを詳しく見ていきましょう。
痛みの原因物質を直接抑える「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」
イブプロフェンやロキソプロフェンナトリウム水和物などが、この「NSAIDs(エヌセイズ)」に分類される成分です。
- 作用の仕組み: NSAIDsは、痛みの原因物質であるプロスタグランジンが体内で作られる際に必要な「シクロオキシゲナーゼ(COX)」という酵素の働きをブロックします。 これにより、プロスタグランジンの産生そのものを根本から抑制し、優れた鎮痛効果を発揮します。
- 特徴:
- プロスタグランジンが直接の原因である生理痛に対して、高い効果が期待できます。
- 痛みだけでなく、炎症を抑える作用も持っています。
- 注意点: プロスタグランジンには胃の粘膜を保護する働きもあるため、NSAIDsによってその産生が抑えられると、副作用として胃部不快感や胃痛などの胃腸障害が起こる可能性があります。 そのため、多くの場合は空腹時を避け、食後に服用することが推奨されます。
- 腎障害に注意
- NSAIDs服用により、まれに腎障害を引き起こします。おしっこが少ない、むくみ、血尿などの異常があれば、すぐに医療機関を受診してください。また、腎臓病の方はNSAIDsの副作用が出やすく、腎臓病の程度にもよりますが、基本的にはNSAIDsを使用することができません。
- アスピリン喘息に注意
- NSAIDs服用により鼻水、鼻詰まり、咳、呼吸困難などの喘息症状が出現する病気。患者本人や担当医も、NSAIDsが原因であることに気づいていないケースがあります。ロキソニンやイブなどのいわゆる解熱鎮痛剤でなく、風邪薬などにもNSAIDs成分が含まれていることも多いので要注意。
脳に働きかけて痛みを鎮める「アセトアミノフェン」
「タイレノールA」などに含まれているのがこの成分です。
- 作用の仕組み: アセトアミノフェンの詳しい作用メカニズムは完全には解明されていませんが、主に脳や脊髄といった中枢神経に作用して、痛みの伝達を抑えると考えられています。
- 特徴:
- NSAIDsとは異なり、末梢でのプロスタグランジン産生抑制作用が弱いため、胃腸への負担が少ないのが最大のメリットです。
- 製品によっては15歳未満の小中学生でも服用できるものがあります。
- 注意点:
- 炎症を抑える作用は弱いため、炎症を伴うような激しい痛みに対しては、NSAIDsに比べて効果がマイルドな場合があります。
- 定められた用量を超えて服用すると、肝臓に重い障害を引き起こすリスクがあるため、過量摂取には厳重な注意が必要です。 風邪薬など他の薬にもアセトアミノフェンが含まれていることがあるため、併用しないように必ず確認しましょう。
【早見表】鎮痛成分の比較まとめ
| 特徴 | NSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェンなど) | アセトアミノフェン |
| 医薬品分類 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) | 非NSAID系解熱鎮痛薬 |
| 主な作用 | 痛みの原因物質「プロスタグランジン」の産生を抑える(末梢・中枢) | 脳などの「中枢神経」に働きかけ、痛みの伝達を抑える |
| 生理痛への効果 | 高い。原因物質を直接ブロックするため、特に有効。 | 中程度。軽度~中等度の痛みに適している。 |
| 効果発現の速さ | 速い | 速い |
| 胃腸への副作用 | 中程度のリスクがある(空腹時を避けるのが基本) | リスクが低い(胃にやさしい) |
| こんな方におすすめ | 中等度~重度のつらい生理痛に悩んでいる方 | 胃が弱い方、NSAIDsで胃が荒れた経験がある方、軽度の痛みの方 |
症状・タイプ別!生理痛におすすめの市販薬【2025年版】

主成分の違いが分かったところで、いよいよ具体的な製品選びです。市販の生理痛薬は、鎮痛成分だけでなく、効果を高めたり、副作用を軽減したりするための「付加成分」が配合されているものが多くあります。
ここでは、症状やお悩みに合わせて、薬剤師の視点からおすすめの市販薬とその「処方設計の意図」を詳しく解説します。
とにかく速く、強い痛みを抑えたい方へ【ロキソニンSシリーズ】
強い痛み、ズキズキする頭痛も伴う方へ【イブシリーズ】
リングルアイビーα200
イブA錠EX

- 主成分: イブプロフェン
- 付加成分: アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン
- 処方設計の意図:
- 最大量の鎮痛成分: 市販薬で認められている最大量(1回量200mg)の「イブプロフェン」を配合し、つらい痛みの元に高い効果を発揮します。
- 相乗効果で痛みをブロック: 鎮静成分である「アリルイソプロピルアセチル尿素」と、鎮痛補助効果のある「無水カフェイン」を同時配合。 これらがイブプロフェンの鎮痛作用を高め、生理に伴うズキズキとした頭痛にも優れた効果が期待できます。
- こんな方におすすめ:
- とにかく効き目を重視したい方。
- 生理痛だけでなく、頭痛も併発してつらい方。
- 注意点: 鎮静成分「アリルイソプロピルアセチル尿素」の影響で眠気が出ることがあります。服用後は、自動車の運転や危険な機械の操作は絶対にしないでください。
胃へのやさしさも効果も両立したい方へ【バファリンシリーズ】
バファリンルナJ
バファリンルナi

- 主成分: イブプロフェン、アセトアミノフェン
- 付加成分: 無水カフェイン、乾燥水酸化アルミニウムゲル
- 処方設計の意図:
- ダブル処方で多角的にアプローチ: 痛みの原因物質を末梢で抑える「イブプロフェン」と、痛みの伝達を中枢でブロックする「アセトアミノフェン」という、作用機序の異なる2つの鎮痛成分を日本で初めて配合した製品です。
- 胃への配慮と速効性: 胃粘膜保護成分「乾燥水酸化アルミニウムゲル」を配合し、胃への負担を軽減します。 また、独自の製剤技術で有効成分が速く溶けるように工夫されています。
- 眠くならない: 鎮静成分を含まないため、仕事中や勉強中など、眠くなりたくない場面でも服用しやすいのが特徴です。
- こんな方におすすめ
- しっかりとした効果が欲しいけれど、胃への負担も気になる方。
- 眠くなる成分を避けたい方。
- 下腹部痛と頭痛の両方がある方。
締め付けられるような下腹部痛が特につらい方へ【エルペインコーワ】

- 主成分: イブプロフェン、ブチルスコポラミン臭化物
- 処方設計の意図:
- 生理痛専用薬ならではの処方: この薬の最大の特徴は、鎮痙薬(ちんけいやく)である「ブチルスコポラミン臭化物」が配合されている点です。 この成分は、生理痛の直接的な原因となる子宮や腸管の過度な収縮(けいれん)を直接的に抑える働きがあります。
- 痛みとけいれんにダブルアタック: 痛みの原因物質を抑える「イブプロフェン」と、筋肉のけいれんを抑える「ブチルスコポラミン臭化物」が、生理痛の2大要因に同時にアプローチします。
- こんな方におすすめ:
- 他の鎮痛薬ではあまり効果を感じられなかった方。
- 特に下腹部が「ぎゅーっと締め付けられる」「ねじれる」ような、けいれん性の痛みが強い方。
- 注意点: 鎮痙成分の影響で、口の渇きや便秘、目がチカチカするといった副作用が出ることがあります。また、眠気が出ることがあるため運転操作には注意が必要です。
胃が弱く、マイルドな効き目を求める方へ【タイレノールA】
※服用の際は、必ずご自身の製品の添付文書をご確認ください。
効果を最大化する!生理痛の薬、正しい飲み方のポイント

せっかく薬を飲むなら、その効果を最大限に引き出したいですよね。実は、薬を飲む「タイミング」が非常に重要です。
ベストなタイミングは「痛みが本格的になる前」
NSAIDs(イブプロフェンやロキソプロフェンなど)を最も効果的に使うコツは、「痛くなりそう」「あ、いつもの痛みが始まったかな」と感じた、ごく初期の段階で服用することです。
なぜなら、前述の通り、NSAIDsは痛みの原因物質プロスタグランジンが作られるのを防ぐ薬だからです。 すでにプロスタグランジンが大量に産生され、痛みがピークに達してしまってからでは、薬の効果が十分に発揮されにくくなってしまいます。
「いつもこのタイミングで痛み出す」というご自身のパターンを把握し、少し早めに服用するのが上手な使い方です。
「薬が効かなくなった?」と感じるときの原因
「最近、いつもの薬が効きにくくなった気がする…」と感じたことはありませんか?短期間の使用で薬に対する耐性がつくことは非常に稀です。 効果を感じにくい場合、主に以下のような原因が考えられます。
- 服用のタイミングが遅い: 我慢できないほどの痛みのピークになってから飲んでいては、薬の効果が追いつきません。
- 痛みを増強させる要因がある: 強い冷えやストレス、睡眠不足などにより、薬の鎮痛効果を上回るほど痛みが強くなっている可能性があります。
- 病気が隠れている(器質性月経困難症): 痛みの原因が子宮内膜症などの病気によるもので、市販薬では対応できないレベルに進行している可能性があります。 この場合は、速やかに婦人科を受診する必要があります。
必ず守って!用量・用法と注意点
- 用量・用法は厳守: 早く効かせたいからと一度に2回分飲んだり、服用間隔を詰めたりするのは絶対にやめましょう。副作用のリスクが高まるだけで、効果は上がりません。
- 他の薬との飲み合わせ: 市販の風邪薬や他の鎮痛薬にも、同じ系統の鎮痛成分(NSAIDsやアセトアミノフェン)が含まれていることがあります。 成分が重複すると過量摂取となり危険ですので、併用は避けてください。 不安な場合は必ず薬剤師に相談しましょう。
- アルコールとの併用はNG: アルコールは薬の代謝に影響を与え、特にアセトアミノフェンとの併用は肝機能障害のリスクを著しく高めます。 薬を飲んでいる期間は、飲酒を控えましょう。
薬だけじゃない!生理痛を和らげるセルフケア
薬はつらい痛みを抑えるための強力な味方ですが、普段の生活の中で少し工夫するだけで、痛みを予防したり和らげたりすることができます。薬とセルフケアを上手に組み合わせましょう。
体を温める(温熱療法)
体を温めて血行を良くすることは、生理痛緩和の基本です。臨床ガイドラインでも推奨されており、科学的根拠も高い方法です。
- お腹や腰を直接温める: カイロや湯たんぽ、温熱シートなどを下腹部や腰(仙骨あたり)に貼ると、骨盤内の血流が促進され、子宮筋の緊張がほぐれて痛みが和らぎます。
- 温かい飲み物を飲む: カモミールティーには抗炎症作用や鎮痙作用が期待できるという研究報告もあります。 ハーブティーや生姜湯などで、体の内側から温めましょう。
- ゆっくり入浴する: ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、全身の血行が良くなり、心身ともにリラックスできます。
食生活で内側からケア
生理期間中に摂りたい栄養素と、控えたい食べ物を知っておきましょう。
- 積極的に摂りたい栄養素:
- マグネシウム: 子宮筋の過剰な収縮を緩和する働きが期待できます。ナッツ類、大豆製品、海藻類、バナナなどに多く含まれます。
- ビタミンE: 血行を促進する作用があります。アーモンド、かぼちゃ、アボカドなどがおすすめです。
- オメガ3系脂肪酸(EPA/DHA): 痛みの原因となるプロスタグランジンの産生を抑制する働きがあるという研究データがあります。 青魚(サバ、イワシなど)に豊富です。
- 控えたいもの: 体を冷やす冷たい飲食物、血管を収縮させるカフェイン、炎症を促進する可能性のあるジャンクフードや甘いお菓子などは、痛みが強い時期は避けた方が賢明です。
軽い運動やストレッチ
痛いときは動きたくないかもしれませんが、軽い運動は骨盤内の血流を改善し、痛みの緩和につながります。
- ストレッチ: 開脚や猫のポーズなど、股関節周りや骨盤周りをゆっくり伸ばすストレッチが効果的です。
- ウォーキング: 無理のない範囲でのウォーキングは、全身の血行を良くし、気分転換にもなります。
漢方の視点を取り入れる(ホリスティックなアプローチ)
西洋医学が痛みの成分に直接アプローチするのに対し、漢方医学は「体全体のバランスの乱れ」を整えることで症状を改善するという考え方をします。
漢方では、生命エネルギーの「気(き)」、血液とその働きを指す「血(けつ)」、それ以外の体液である「水(すい)」の3つの要素が体内をスムーズに巡ることで健康が保たれると考えられています。 生理痛は、血行不良を指す「瘀血(おけつ)」や、ストレスなどによる気の滞りである「気滞(きたい)」などが原因と捉えられます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 体力があまりなく、冷え性で貧血傾向の方の、しくしくとした痛みに。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん): 比較的体力があり、のぼせや足冷えがある方の、比較的強い痛みに。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん): イライラや気分の落ち込みなど、精神的な不調が痛みに伴って強く現れる場合に。
漢方薬は、個人の体質(証)に合わせて選ぶことが非常に重要です。興味のある方は、ぜひ薬局の薬剤師や漢方の専門家にご相談ください。
市販薬で改善しない場合は婦人科へ。受診の目安とは?

市販薬やセルフケアは機能性月経困難症に対して非常に有効ですが、すべての生理痛に対応できるわけではありません。 あるラインを超えたら、それは「専門家である婦人科医に相談すべき」という体からのサインです。
自己判断で痛みを我慢し続けることは、背景にあるかもしれない病気を見過ごすことにつながりかねません。
こんな症状は婦人科受診のサイン【チェックリスト】
以下の項目に一つでも当てはまる場合は、ためらわずに婦人科を受診することを強く推奨します。
- □ 市販の鎮痛薬を飲んでも痛みがほとんど治まらない、または効かなくなってきた
- □ 生理のたびに、痛みがだんだんひどくなっている
- □ 痛みで学業や仕事を休まざるを得ないなど、日常生活に大きな支障が出ている
- □ 経血の量が急に増えた、またはレバーのような大きな血の塊が頻繁に出る
- □ 生理期間以外にも下腹部痛や腰痛がある
- □ 排便時や性交時に痛みを感じる
痛みの裏に隠れているかもしれない病気
強い生理痛の背景には、「器質性月経困難症」の原因となる、以下のような病気が隠れていることがあります。
- 子宮内膜症: 本来は子宮の内側にあるはずの子宮内膜組織が、卵巣や骨盤内など、子宮以外の場所で増殖してしまう病気。生理のたびにその場所で出血と炎症を繰り返し、激しい痛みや癒着を引き起こします。進行性の痛みが特徴です。
- 子宮筋腫: 子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。できる場所や大きさによっては、生理痛や過多月経の原因となります。
- 子宮腺筋症: 子宮内膜の組織が、子宮の筋層内に入り込んで増殖する病気。子宮全体が硬く大きくなり、激しい生理痛や過多月経を引き起こします。
これらの病気は、放置すると不妊の原因になったり、症状がさらに悪化したりすることがあるため、早期の診断と治療が重要です。
婦人科で行われる専門的な治療
婦人科では、問診や内診、超音波(エコー)検査などを行い、痛みの原因を正確に診断します。そして、市販薬とは異なる専門的な治療法を提案してもらえます。
代表的な治療法が、低用量ピル(LEP薬)です。 LEP薬は、排卵を止め、子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの産生を根本から劇的に減らします。 これにより、痛みが大幅に軽減されるだけでなく、経血量の減少、月経周期の安定、PMS(月経前症候群)の改善など、多くの副次的なメリットも期待できます。
まとめ:もう我慢しない!自分に合ったケアでつらい生理を乗り切ろう
つらい生理痛について、その原因から市販薬の選び方、セルフケア、そして婦人科受診の目安まで、詳しく解説してきました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 生理痛の主な原因はプロスタグランジン。 この働きを抑えることが痛みを和らげる鍵。
- 市販薬は主成分の違いを理解して選ぶ。 鎮痛効果重視なら「NSAIDs」、胃へのやさしさ優先なら「アセトアミノフェン」。さらに、付加成分にも注目して、自分の症状に合った一品を見つけましょう。
- 薬を飲むタイミングは「痛くなる前」。 早めの服用が効果を高めるコツです。
- セルフケアも併用しよう。 体を温める、食生活を整える、軽い運動をするなど、薬と組み合わせることでより快適に過ごせます。
- 我慢は禁物。 市販薬が効かない、痛みが悪化するなど、気になるサインがあれば、ためらわずに婦人科を受診してください。
生理痛は、あなたのせいではありません。正しい知識を身につけ、ご自身に合った薬やセルフケアを賢く選択し、専門家の力も借りながら、つらい時期を上手に乗り越えていきましょう。
オオギ薬局では、お一人おひとりの症状や体質、ライフスタイルに合わせたお薬選びのご相談を承っています。どの薬が良いか迷ったときは、ぜひお気軽にお近くの店舗の薬剤師にお声がけください。












