【薬剤師が解説】市販で買える「医療用と同成分」の解熱鎮痛薬おすすめ11選|症状別に選び方を徹底比較

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急な発熱や、ズキズキと脈打つような頭痛、毎月やってくるつらい生理痛…。そんな我慢できない痛みに襲われたとき、ドラッグストアの薬棚にずらりと並んだ痛み止め(解熱鎮痛薬)を前に、「どれを選べばいいの?」と途方に暮れた経験はありませんか?

パッケージには「速く効く」「胃にやさしい」「頭痛に」「生理痛に」など、様々なキャッチコピーが書かれていますが、本当に自分の症状に合っているのか、判断するのは難しいものです。

この記事では、そんなお悩みを抱えるあなたのために、市販の解熱鎮痛薬の「正しい選び方」を徹底的に解説します。

実は、市販薬の中には、かつては医師の処方箋がなければ手に入らなかった「医療用医薬品と同じ有効成分」を、同じ量だけ配合した製品がたくさんあります。これらは「スイッチOTC医薬品」と呼ばれ、正しく選べば医療用に近い確かな効果が期待できるのです

この記事を最後まで読めば、もう薬選びで迷うことはありません。あなたのつらい症状を和げる、最適な一箱がきっと見つかります。

痛み止めを選ぶ最も重要なポイント|2種類の成分の違いとは?

痛み止めを選ぶとき、多くの人が「ロキソニン」や「イブ」といった商品名で選んでいるかもしれません。しかし、最も大切なのは、その箱に含まれている「有効成分」が何かを知ることです。

市販の解熱鎮痛薬の有効成分は、大きく分けて2つのグループに分類できます。それは、「アセトアミノフェン」と「NSAIDs(エヌセイズ)」です。この2つの違いを理解することが、薬選びの第一歩であり、最も重要なポイントになります。

① 胃にやさしく、穏やかに効く「アセトアミノフェン」

アセトアミノフェンは、主に脳にある「体温調節中枢」に作用して熱を下げ、痛みの情報が伝わるのをブロックすることで鎮痛効果を発揮します。

  • 得意なこと: 解熱作用に優れており、穏やかな鎮痛効果があります。
  • 最大の特長: 痛みや熱の原因となる物質「プロスタグランジン」にほとんど影響を与えないため、胃への負担が非常に少ないのが特長です。そのため、胃が弱い方や、お子さま、ご高齢の方、妊娠中や授乳中の方にも比較的安心して使用できます。
  • 不得意なこと: 炎症を抑える作用は弱いため、のどの腫れや関節痛など、炎症が原因の強い痛みには効果が限定的です。
  • 注意点:まれに重篤な肝機能障害を起こす場合があります。高用量かつ長期間のアセトアミノフェン服用や、アルコールとの併用により肝臓に負担がかかり、肝機能障害のリスクが上昇します。アセトアミノフェンの服用期間中は飲酒を控え、漫然と長期的に使用せず服用量および服用期間を必要最小限に抑えることが重要です。

② 炎症による強い痛みに効く「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」

NSAIDs(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)は、日本語で「非ステロイド性抗炎症薬」と呼ばれます。代表的な成分に「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」があります。

  • 得意なこと: 痛み、熱、炎症の原因となる物質「プロスタグランジン」が作られるのを直接ブロックします。そのため、解熱・鎮痛作用に加えて、強力な「抗炎症作用」を発揮します。のどの痛み、生理痛、歯痛、関節痛、筋肉痛など、炎症を伴う痛みに対して高い効果が期待できます。
  • 注意点: 胃の粘膜を保護するプロスタグランジンも抑えてしまうため、胃痛や胃もたれなどの胃腸障害を起こす可能性があります。そのため、原則として空腹時を避けて服用する必要があります。また、NSAIDsはまれに腎障害を起こす場合があります。服用中はむくみや尿量の減少、食欲不振などの体調変化に気をつけ、腎臓病のある方は服用前に医師に相談してください。

【簡易チェック】あなたの症状はどっち?

この2つの成分の違いが、薬を選ぶ上での大きな分かれ道になります。

  • 主に熱を下げたい、胃が弱い、空腹時に飲むかもしれない
    アセトアミノフェン がおすすめです。
  • のどの腫れ、生理痛、歯痛、関節痛など、炎症による痛みがつらい
    NSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェン) がおすすめです。

このように、ご自身の症状が「炎症」を伴うかどうかを一つの基準にすると、適切な薬を選びやすくなります。

あなたの目的は?症状別におすすめの市販解熱鎮痛薬

成分の大きな違いが分かったところで、次はあなたの「目的」に合わせて、さらに細かく薬のタイプを見ていきましょう。

「とにかく速く効いてほしい」「仕事中に眠くなると困る」など、具体的な状況に合わせて5つのカテゴリに分類しました。

1. とにかく早く、強く効いてほしい!激しい痛み(頭痛・生理痛)に

日常生活に支障が出るほどのつらい頭痛や重い生理痛には、鎮痛効果が高く、効き目が速い薬が求められます。

この場合、NSAIDsの中でも、1回に服用できる最大量を配合した製品や、鎮痛効果を高める補助成分が加えられた製品が適しています。

2. 熱を下げたい・胃にやさしい薬がいい

高熱がつらい場合や、もともと胃が弱く、薬による胃への負担が心配な方には、胃にやさしい成分が第一選択となります。

このニーズに最も応えられるのは、アセトアミノフェン単剤の製品です。また、NSAIDsの中でも胃への負担を軽減する工夫がされた製品や、胃を守る成分が一緒に配合された製品も良い選択肢です。

3. 風邪でのどや関節が痛いときに

風邪をひいたとき、熱だけでなく、ジンジンと痛むのどや、体の節々の痛みに悩まされることも多いでしょう。

このような「炎症」が原因の痛みには、抗炎症作用を持つNSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェン)が優れた効果を発揮します。

4. 仕事や運転中でも眠くならない薬がほしい

「頭は痛いけど、仕事や会議に集中しないといけない」「車を運転するから眠くなるのは絶対に困る」という状況はよくあります。

市販の痛み止めの中には、鎮痛効果を高めるために「アリルイソプロピルアセチル尿素」などの鎮静成分が含まれているものがあり、これが眠気の原因になります。このカテゴリでは、こうした眠くなる成分を含まない製品を選びましょう。

5. 錠剤が苦手…飲みやすい薬がいい

体調が悪いときは、錠剤を飲み込むことさえつらく感じることがあります。

錠剤が苦手な方や、より速い吸収を期待する方のために、小粒の錠剤や、液体が入ったカプセル剤、水に溶かして飲む顆粒剤など、様々な剤形の製品があります。

薬剤師が厳選!目的別・市販の解熱鎮痛薬11選

それでは、上記5つの目的に合わせて、具体的な市販薬を11製品ご紹介します。それぞれの特徴を詳しく解説しますので、あなたにぴったりの薬を見つけてください。

カテゴリ1:とにかく早く、強く効いてほしい!激しい痛み(頭痛・生理痛)に

1. ロキソニンSプレミアム(第一三共ヘルスケア)

【有効成分(2錠中)】

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物:68.1mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
  • 無水カフェイン:50mg
  • メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:100mg

【このお薬はココがポイント!】

医療用と同じ有効成分「ロキソプロフェン」を配合したスイッチOTC医薬品「ロキソニンS」のプレミアム処方です。鎮痛効果を高める鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素)と無水カフェイン、さらに胃粘膜を保護する成分をプラス配合。複数の成分が多角的に作用することで、速く、優れた効果を発揮します。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 1秒でも早く抑えたい、つらい頭痛や生理痛がある方
  • 効き目の確かな薬を求めている方
  • ※鎮静成分を含むため、服用後の運転・機械操作はできません。
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ロキソニン
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2. イブクイック頭痛薬DX(エスエス製薬)

【有効成分(2錠中)】

  • イブプロフェン:200mg
  • 酸化マグネシウム:100mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
  • 無水カフェイン:80mg

【このお薬はココがポイント!】

鎮痛成分「イブプロフェン」を、市販薬として1回で服用できる最大量の200mg配合しています。胃粘膜を保護し、イブプロフェンの吸収を速める酸化マグネシウムを独自配合。エスエス製薬独自の「クイックアクションプラス製法」により、「速さ」と「効果」を追求した製品です。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • ズキズキするつらい頭痛に悩まされている方
  • 胃への負担も気になるけど、速く効いてほしい方
  • ※鎮静成分を含むため、眠気が出ることがあります。
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イブ(EVE)
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3. リングルアイビーα200(佐藤製薬)

【有効成分(1カプセル中)】

  • イブプロフェン:200mg

【このお薬はココがポイント!】

有効成分のイブプロフェン200mgが液体状でソフトカプセルに封入されています。液体なので体内で速く溶け、有効成分が迅速に吸収されることが期待できます。配合されているのはイブプロフェンのみというシンプルな処方で、眠くなる鎮静成分やカフェインは含まれていません。「効果の強さ」と「眠くならない」を両立しているのが最大の魅力です。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 日中の仕事や会議など、眠りたくない場面で強い痛みがある方
  • 速効性を重視する方
  • 錠剤よりもカプセルが飲みやすい方
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佐藤製薬
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カテゴリ2:熱を下げたい・胃にやさしい薬がいい

4. カロナールA(第一三共ヘルスケア)

【有効成分(1錠中)】

  • アセトアミノフェン:300mg

【このお薬はココがポイント!】

医療現場で解熱鎮痛薬として最も広く処方されている「カロナール」と、同名・同成分・同量のスイッチOTC医薬品です。「病院でもらう薬と同じ」という絶大な安心感が強み。アセトアミノフェン単剤なので、胃にやさしく、眠くなる成分も含まれていません。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 主に発熱でつらい方
  • 胃が弱い方、胃腸薬をよく飲む方
  • 薬の副作用が心配な方
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カロナール
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5. タイレノールA(アリナミン製薬)

【有効成分(1錠中)】

  • アセトアミノフェン:300mg

【このお薬はココがポイント!】

アセトアミノフェンを主成分とする、世界的に有名なブランドです。主に脳に作用するため胃への負担が少なく、「空腹時にも飲める」ことを特徴としています(ただし、かぜによる悪寒・発熱時は、なるべく空腹時をさけて服用してください)。NSAIDsにアレルギーがある方や、胃腸の調子を崩しやすい方にとっての第一選択肢となります。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 食事のタイミングを気にせず服用したい方
  • NSAIDsが体質に合わない方
  • 穏やかな効き目の薬を探している方
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TYLENOL
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6. ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)

【有効成分(1錠中)】

  • ロキソプロフェンナトリウム水和物:68.1mg

【このお薬はココがポイント!】

スイッチOTCの先駆けであり、抜群の知名度と信頼性を誇る製品です。強力なNSAIDsでありながら、「プロドラッグ製剤」という特徴を持っています。これは、成分が胃を通過する時点では効果を発揮せず、体内に吸収されてから活性型に変化する仕組みのことで、胃粘膜への直接的な刺激が軽減されています。効果の強さと胃への配慮を両立した、バランスの取れた薬です。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 炎症による痛みも気になるが、胃への負担もできるだけ避けたい方
  • 眠くなる成分を含まない、日中でも使いやすい薬を探している方
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ロキソニン
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カテゴリ3:風邪でのどや関節が痛いときに

7. イブA錠(エスエス製薬)

【有効成分(2錠中)】

  • イブプロフェン:150mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
  • 無水カフェイン:80mg

【このお薬はココがポイント!】

長年にわたって愛用され続けている、解熱鎮痛薬のロングセラー製品です。有効成分のイブプロフェンが、風邪によるのどの痛みや関節の痛みといった炎症性疼痛によく効きます。フィルムコーティングされた小粒の錠剤で、喉が痛いときでも飲みやすいように工夫されています。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 風邪で、特にのどの痛みや体の節々の痛みがつらい方
  • 飲み慣れた安心感のある薬を使いたい方
  • ※鎮静成分を含むため、風邪で安静にしたい時に適しています。
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8. バファリンプレミアムDX(ライオン)

【有効成分(2錠中)】

  • イブプロフェン:130mg
  • アセトアミノフェン:130mg
  • 無水カフェイン:80mg
  • 乾燥水酸化アルミニウムゲル:70mg

【このお薬はココがポイント!】

炎症を抑える「イブプロフェン」と、熱や痛みを和らげる「アセトアミノフェン」という、系統の異なる2つの鎮痛成分を1:1で配合したユニークな処方です。これにより、体の末梢(炎症部位)と中枢(脳)の両方から、痛みと熱にアプローチします。胃を守る成分も配合。速く溶けるライオン独自の「クイックアタック錠」技術も採用されています。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 熱も、のどの痛みも、頭痛も、複合的な症状に悩まされている方
  • 胃への負担を考慮しつつ、しっかり効く薬がほしい方
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バファリン
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カテゴリ4:仕事や運転中でも眠くならない薬がほしい

このカテゴリに該当する薬は、鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素など)を含まない単剤処方の製品です。カテゴリ1と2でご紹介した製品の中から、以下の2つが最適です。

9. ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)

【このお薬はココがポイント!】

有効成分は「ロキソプロフェン」のみ。眠気を引き起こす成分は一切含まれていません。医療用と同じ成分でしっかり痛みを抑えつつ、日中の活動に影響を与えません。

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10. リングルアイビーα200(佐藤製薬)

【このお薬はココがポイント!】

有効成分は市販薬最大量の「イブプロフェン200mg」のみ。鎮静成分を含まないため眠くなる心配がなく、液体カプセルによる速効性も期待できます。強い痛みを、眠気なしで速く抑えたい場合に最適な選択肢です。

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カテゴリ5:錠剤が苦手…飲みやすい薬がいい

11. セデス・ハイG(シオノギヘルスケア)

【有効成分(1包中)】

  • イソプロピルアンチピリン(IPA):150mg
  • アセトアミノフェン:250mg
  • アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg
  • 無水カフェイン:50mg

【このお薬はココがポイント!】

今回ご紹介する中で唯一の「顆粒(粉薬)」タイプです。水にさっと溶け、錠剤を飲み込むのが苦手な方でも楽に服用できます。鎮痛効果の高いピリン系成分「IPA」とアセトアミノフェンを組み合わせた処方で、強い痛みによく効きます。

【こんな人・こんな症状におすすめ】

  • 大きな錠剤を飲むのが苦手な方、粉薬の方が好きな方
  • 効果の高い痛み止めを探している方
  • ※鎮静成分を含むため、眠気が出ることがあります。
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セデス
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市販の解熱鎮痛薬 全11製品マスター比較表

ご紹介した11製品の特徴を一覧表にまとめました。薬局で迷ったときに、スマートフォンでさっと確認できるよう、ぜひご活用ください。

製品名主な有効成分1回量こんな人・症状に特徴対象年齢
ロキソニンSプレミアムロキソプロフェン + 鎮静成分 + カフェイン2錠激しい頭痛・生理痛鎮静成分で効果増強、胃粘膜保護成分配合15歳以上
イブクイック頭痛薬DXイブプロフェン(200mg) + 鎮静成分 + カフェイン2錠つらい頭痛速溶技術、胃粘膜保護成分配合15歳以上
リングルアイビーα200イブプロフェン(200mg)1カプセル強い痛み・眠くなりたくない人液体ジェルカプセル、眠くなる成分なし15歳以上
カロナールAアセトアミノフェン1錠発熱、胃が弱い人、空腹時医療用と同じブランド、胃にやさしい15歳以上
タイレノールAアセトアミノフェン1錠発熱、胃が弱い人、空腹時空腹時にも飲める、胃にやさしい15歳以上
ロキソニンSロキソプロフェン1錠炎症を伴う痛み、眠くなりたくない人プロドラッグ製剤で胃負担軽減、眠くなる成分なし15歳以上
イブA錠イブプロフェン(150mg) + 鎮静成分 + カフェイン2錠生理痛、のどの痛み小粒で飲みやすい15歳以上
バファリンプレミアムDXイブプロフェン + アセトアミノフェン2錠様々な痛み、胃が気になる人2種の鎮痛成分配合、速溶技術、胃粘膜保護成分配合15歳以上
セデス・ハイGIPA + アセトアミノフェン + 鎮静成分1包激しい痛み、錠剤が苦手な人顆粒タイプで速溶、鎮痛効果が高い15歳以上

後悔しないために!解熱鎮痛薬を安全に使うための重要ルール

市販薬は手軽に購入できますが、間違った使い方をすると、効果がないばかりか、思わぬ副作用や健康被害につながる可能性があります。薬を飲む前に、必ず以下のルールを守ってください。

1. 用法・用量を必ず守る

添付文書に書かれている1回の服用量、1日の服用回数、服用間隔は絶対に守ってください。「効かないから倍飲もう」「早く治したいから時間を空けずに飲もう」といった自己判断は非常に危険です。

2. 長期間使い続けない

解熱鎮痛薬は、あくまで一時的に症状を和らげるための薬です。製品にもよりますが、3~5日服用しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、何か他の病気が隠れている可能性があります。漫然と使用を続けず、必ず医療機関を受診してください。

3. 絶対にやってはいけない危険な飲み合わせ(併用禁忌)

市販薬で最も多い事故の一つが、意図しない成分の重複摂取です。特に以下の組み合わせは絶対に避けてください。

併用してはならない組み合わせ併用が危険な理由
痛み止め + 他の痛み止め (例:ロキソニンとイブ)同じ系統の成分が重複し、過剰摂取になります。副作用のリスクが急増します。
痛み止め + 総合感冒薬(風邪薬)ほとんどの風邪薬には、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛成分が含まれています。併用は過剰摂取に直結します。
鎮静成分を含む痛み止め + 他の眠くなる薬 (例:睡眠改善薬、乗り物酔い止め、一部のアレルギー薬)眠気やふらつきが強く出すぎることがあり、転倒や事故の原因になります。
痛み止め + アルコール(お酒)NSAIDsは胃腸出血のリスクを、アセトアミノフェンは肝機能障害のリスクを著しく高めます。服用期間中の飲酒は絶対にやめましょう。
カフェインを含む痛み止め + カフェイン飲料 (例:コーヒー、エナジードリンク)カフェインの摂りすぎで、動悸、不眠、頭痛などの副作用が出ることがあります。

4. 服用に特に注意が必要な人

以下に該当する方は、自己判断で薬を選ばず、購入前に必ず医師、薬剤師、または登録販売者に相談してください。

  • お子さま: 必ず小児用の用法・用量が設定された製品を使用してください。
  • 妊娠中・授乳中の方: 特にNSAIDsは、妊娠後期(出産予定日12週以内)の服用が禁止されています。妊娠中や授乳中の解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンを用いることが一般的ですが、服用前に医師に相談しましょう。
  • ご高齢の方、持病のある方: 胃・十二指腸潰瘍、腎臓病、肝臓病、心臓病、気管支ぜんそくなどの持病がある方は、症状を悪化させる可能性があるため、特に注意が必要です。

5. 副作用について

胃腸障害のような比較的よく見られる副作用の他に、ごくまれに重篤な副作用(皮膚の異常、ぜんそく発作、肝機能障害など)が起こる可能性もあります。服用後に「いつもと違う」「何かおかしい」と感じた場合は、直ちに服用を中止し、添付文書を持って医療機関を受診してください。

まとめ

今回は、市販の解熱鎮痛薬の選び方について、成分の違いから目的別の具体的な製品まで、詳しく解説しました。

  • 痛み止めの基本は「成分」で選ぶこと。 胃にやさしい「アセトアミノフェン」と、炎症に強い「NSAIDs」の違いを理解しましょう。
  • あなたの「目的」を明確にしましょう。 「速さ」「強さ」「胃へのやさしさ」「眠気の有無」など、何を優先したいかによって最適な薬は変わります。
  • 医療用と同じ成分の「スイッチOTC医薬品」は、正しく使えば確かな効果が期待できます。
  • 安全に使うためのルールは必ず守りましょう。 特に、他の薬との飲み合わせには細心の注意が必要です。

つらい痛みや熱は、心身ともに消耗します。この記事が、あなたの薬選びの一助となり、一日も早い回復につながることを心から願っています。

もし、どの薬を選べばよいか最終的に迷ったり、ご自身の体質や持病について不安な点があったりする場合は、決して一人で悩まず、お近くの薬局の薬剤師や登録販売者に遠慮なくご相談ください。