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「暑くて体がだるいから、栄養ドリンクを飲んで元気を出したい」
暑くて体がだるい日が続くと、このように考える方も多いのではないでしょうか。
栄養ドリンクを飲むこと自体が、直ちに問題になるわけではありません。しかし、暑い日の水分補給を栄養ドリンクだけで済ませるのはおすすめできません。栄養ドリンクは水分や塩分の補給を主な目的とした飲み物ではなく、また50~100mL程度の水分やカフェインが含まれています。
「カフェインには利尿作用があるから、飲むと必ず脱水する」と思っている方もいるかもしれませんが、実際はそれほど単純ではありません。
適量のカフェインを摂取しただけで、必ず体内の水分が不足するとは限りません。猛暑日に注意したいのは、カフェインだけではなく、大量の発汗に対して十分な水分や塩分を補給できていないことです。
今回は、猛暑日に栄養ドリンクだけで水分補給をしてはいけない理由や、カフェインの利尿作用と脱水の関係について解説します。
暑い日の正しい飲み物の選び方も紹介するため、熱中症対策が気になる方はぜひ参考にしてください。
栄養ドリンクだけでは猛暑日の水分補給にならない

結論からお伝えすると、栄養ドリンクを飲んだからといって水分をまったく摂取できないわけではありません。
栄養ドリンクも飲料である以上、含まれている水分は体内に入ります。
しかし、「水分を含んでいる飲み物」と「猛暑日に失った水分や塩分を十分補給するための飲み物」は同じではありません。
特に長時間の屋外作業やスポーツ、通勤などで大量の汗をかいたときは注意が必要です。
栄養ドリンクだけでは水分補給が不足しやすい理由を詳しく見ていきましょう。
理由1|少量の栄養ドリンクでは補う水分量が足りない
栄養ドリンクには、50mLや100mLなど比較的容量が少ない製品があります。
例えば、汗を大量にかいた後に100mLの栄養ドリンクを1本飲んだとしましょう。
もちろん100mL程度の水分は摂取できます。しかし、大量の発汗で失った水分を補うには、十分な量ではない可能性があります。
ここで問題になるのが、「栄養ドリンクを1本飲んだから水分補給は終わり」と考えてしまうことです。
暑い日に体がだるいと、疲労対策を優先して栄養ドリンクを選ぶ方もいるでしょう。
しかし、汗をかいているときに必要なのは、まず失った水分を補うことです。
栄養ドリンクを飲んだ後も、水や麦茶などを利用してこまめに水分を摂取しましょう。
「栄養ドリンクを飲んだかどうか」ではなく、「発汗量に対して必要な水分を補給できているか」を考えることが大切です。
理由2|大量の汗では水分と塩分が失われる
汗をかくと失われるのは水分だけではありません。塩分も一緒に体外へ排出されます。
日常生活でそれほど汗をかいていない場合は、水や麦茶などによる水分補給が基本的な選択肢になります。
一方、炎天下で長時間作業をした場合や激しい運動をした場合など、大量の汗をかく状況では水分とともに塩分を補うことも重要です。
日本スポーツ協会では、暑い環境でスポーツを行う際、スポーツドリンクなどを利用して0.1~0.2%程度の塩分を補給する方法を紹介しています。
栄養ドリンクは、一般的に大量発汗によって失った水分や塩分を補うことを主な目的とした飲料ではありません。
そのため、
「汗をたくさんかいたから栄養ドリンクを飲もう」
という考え方ではなく、
「まず水分を補給し、大量に汗をかいた場合は塩分も補おう」
と考えましょう。
栄養ドリンクを利用する場合は、水分・塩分補給とは役割を分けて考えることがポイントです。
理由3|何本も飲むとカフェインの摂取量が増える
栄養ドリンクの中にはカフェインを含む製品があります。
代表的な製品には、1本当たり50mgの無水カフェインを配合している例があります。
ただし、すべての栄養ドリンクに同じ量のカフェインが含まれているわけではありません。カフェインを含まない製品もあり、含有量は商品によって異なります。
必ず商品の表示を確認してください。
暑い日は喉が渇くため、栄養ドリンクを飲んだ後にコーヒーやエナジードリンクを飲む方もいるかもしれません。
すると、知らないうちに1日のカフェイン摂取量が増えてしまいます。
さらに、一部の医薬品にもカフェインが含まれています。
栄養ドリンクだけを見るのではなく、コーヒーやお茶、エナジードリンク、医薬品などを含め、1日に摂取するカフェインの合計量を意識しましょう。
カフェインの利尿作用で本当に脱水する?

「カフェインを飲むとトイレが近くなるから、脱水症状になる」
このような話を聞いたことがある方も多いでしょう。
たしかにカフェインには利尿作用があります。
しかし、「利尿作用があること」と「飲めば必ず脱水すること」は同じ意味ではありません。
カフェインと脱水の関係について詳しく解説します。
カフェインが尿を増やす仕組み
カフェインは、体内にあるアデノシンという物質と似た構造を持っています。
アデノシンは体内の受容体と結合して働きますが、カフェインもこの受容体に結合します。その結果、アデノシン本来の働きが妨げられ、神経が刺激されます。
コーヒーなどを飲んだ後に眠気が軽くなったと感じることがあるのは、こうしたカフェインの作用が関係しています。
腎臓では、水分やナトリウムを体内で調節する仕組みにアデノシン受容体が関与しています。
カフェインがこの仕組みに影響することで、ナトリウムや水分が尿として排出されやすくなり、尿量が増えることがあります。
これがカフェインの利尿作用です。
ただし、カフェインによる利尿作用の強さには摂取量やカフェインを普段から摂取しているかどうかなど、さまざまな条件が関係すると考えられています。
「カフェインを1mgでも摂取すれば大量に尿が出る」といったものではありません。
「利尿作用=必ず脱水」ではない
ここは誤解されやすいポイントです。
例えば、カフェインを含む飲料を500mL飲んだとします。
飲料を飲むことで500mLの水分が体内に入ります。
カフェインの利尿作用によって尿量が多少増えたとしても、飲んだ水分以上の量が必ず体外へ失われるとは限りません。
実際、習慣的にコーヒーを飲む成人男性を対象にした研究では、一定量のカフェインをコーヒーとして摂取した場合と水を飲んだ場合を比較し、体内の水分状態を示す指標に明らかな差が確認されなかったという報告があります。
また、カフェインの摂取量によっては急性の利尿作用が確認された研究もあります。
つまり、
「カフェインには利尿作用がある」
という説明は間違いではありません。
一方で、
「カフェインを飲むと、飲んだ量以上の水分が必ず尿から排出される」
「カフェイン入り飲料を飲めば必ず脱水する」
と断定するのは適切ではありません。
カフェインの利尿作用と脱水は分けて考えましょう。
猛暑日に注意したいのは大量発汗と補水不足
では、カフェインを含む栄養ドリンクを猛暑日に飲んでも問題ないのでしょうか。
注意したいのは、「カフェインを飲んだから直ちに脱水する」ということではありません。
猛暑日に問題となりやすいのは、大量の発汗に対して補給する水分量が足りていないことです。
炎天下で仕事をしたり、スポーツをしたりすると大量の汗をかくことがあります。
その状態で100mL程度の栄養ドリンクを1本飲み、
「栄養ドリンクを飲んだから大丈夫」
と考えて水分補給をしなければ、失った水分に対して補給量が不足する可能性があります。
また、大量に汗をかいている場合は塩分も失われています。
重要なのはカフェインだけを怖がることではありません。
汗でどの程度の水分や塩分を失っているのかを考え、状況に合わせて水分補給を行うことです。
栄養ドリンクを飲んで元気になっても「回復した」とは限らない

暑い日に栄養ドリンクを飲むと、
「眠気が飛んだ」
「少し元気になった」
「体が動くようになった」
と感じることがあります。
カフェインを含む製品の場合、神経を刺激する作用によって眠気やだるさの感じ方が変化する可能性があります。
しかし、ここで注意してください。
疲労感が軽くなったことと、汗で失った水分や塩分が補給されたことは別です。
例えば、暑い場所で長時間作業をして大量の汗をかき、頭痛や強いだるさを感じているとします。
このとき栄養ドリンクを飲み、一時的に頭がすっきりしたとしても、体内の水分や塩分が十分に補給されたことを意味するわけではありません。
「元気になった気がするから作業を続けよう」と無理をするのは避けましょう。
特に暑い環境で、いつもとは違う強い疲労感や頭痛、吐き気などがある場合は熱中症の可能性も考える必要があります。
栄養ドリンクで乗り切ろうとせず、涼しい場所に移動して体を冷やし、状態に応じた水分・塩分補給を行いましょう。
栄養ドリンクにはどのくらいカフェインが入っている?

「栄養ドリンクにはカフェインが何mg入っていますか?」
薬局でも気になる方が多いポイントです。
結論として、栄養ドリンクに含まれるカフェイン量を一律に「平均○mg」と考えるのはおすすめできません。
商品によって配合されている成分や量が異なるためです。
1本50mgのカフェインを含む製品もある
代表的な栄養ドリンクには、1本に無水カフェイン50mgを含む製品があります。
一方、カフェインを配合していない栄養ドリンクもあります。
そのため、
「栄養ドリンクは全部カフェインが多い」
「栄養ドリンクならカフェインは入っていない」
と決めつけないようにしましょう。
商品のパッケージや説明書に記載された成分を確認することが大切です。
特に、夕方以降のカフェイン摂取で眠れなくなりやすい方や、カフェインを摂取すると動悸などを感じる方は注意してください。
カフェインへの感じ方には個人差があります。
周囲の方が問題なく飲めているからといって、自分にも同じとは限りません。
カフェインは1日何mgまで?
日本では、カフェインについてすべての成人に共通する一律の1日摂取上限量は設定されていません。
カフェインに対する感受性には個人差があるためです。
一方、海外の機関では健康な成人について、1日400mgを安全性評価上の目安として示している例があります。
ただし、400mgは「毎日400mgまで積極的に摂取しましょう」という推奨量ではありません。
「400mg以下なら、誰でもどれだけ飲んでも問題ない」という意味でもありません。
少量のカフェインでも、不眠や動悸、気分の悪さなどを感じる方がいます。
大切なのは、数字だけを見て上限ぎりぎりまで摂取することではなく、自分が何からどの程度のカフェインを摂取しているかを確認することです。
コーヒーやエナジードリンクとの重複にも注意
栄養ドリンクを1本だけ飲んでいる場合でも、ほかの飲み物や医薬品からカフェインを摂取している可能性があります。
カフェインは、
・コーヒー
・紅茶
・緑茶
・エナジードリンク
・眠気覚ましを目的とした飲料
・一部の医薬品
などに含まれることがあります。
例えば朝にコーヒーを飲み、昼に栄養ドリンク、夕方にエナジードリンクを飲むと、それぞれの商品だけを見れば多量でなくても、1日の総カフェイン摂取量は増えていきます。
カフェインを過剰に摂取すると、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などが現れる可能性があります。
暑い時期は熱中症でもめまいや吐き気、体のだるさなどが現れることがあります。
カフェインを多く摂取している状態と暑さによる体調不良が重なると、自分では体調不良の原因を判断しにくくなることも考えられます。
「今日は栄養ドリンクを何本飲んだか」だけでなく、その日に摂取したカフェイン全体を振り返ってみましょう。
栄養ドリンクの糖分にも注意

栄養ドリンクを水分補給代わりに何本も飲む場合は、カフェインだけでなく糖分にも注意が必要です。
ここでも誤解してはいけないのが、
「糖分が入っている飲み物は水分補給にならない」
というわけではないことです。
糖質はナトリウムなどと適切な濃度で組み合わせることで、水分の吸収に利用されます。
そのため、「糖分=水分補給の邪魔」と単純に考えるのは適切ではありません。
問題になりやすいのは、糖を含む飲料を繰り返し大量に摂取することです。
糖を含む製品もあるため繰り返し飲む場合は注意
栄養ドリンクにはショ糖などを含む製品があります。
一方、糖類を抑えた製品や糖類ゼロを表示している製品もあり、商品によって異なります。
商品の栄養成分表示や原材料を確認しましょう。
特に喉が渇くたびに糖を含む栄養ドリンクを飲み、さらにジュースや糖入りの清涼飲料水なども大量に飲んでいる方は注意してください。
「暑いから飲み物をたくさん飲んでいる」というだけでは、どのような飲料を選んでいるのか分かりません。
夏場は飲料を飲む回数が増えやすいため、知らないうちに糖分の摂取量が増えることがあります。
日常的な水分補給には、水や無糖の飲料なども上手に取り入れましょう。
糖入り飲料の大量摂取とペットボトル症候群
糖分を含む清涼飲料水を習慣的に大量摂取することで、「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれる状態につながる場合があります。一般的には「ペットボトル症候群」と呼ばれることもあります。
清涼飲料水ケトーシスは、誰にでも同じように起こるものではありません。背景に糖尿病があるケースが多く、特にそれまで糖尿病と診断されていなかった2型糖尿病の方や、肥満のある方でみられることがあります。
糖尿病などによって血糖値が高くなると口が渇きやすくなり、その渇きを癒すために糖分を含む清涼飲料水を大量に飲むことで、さらに血糖値が上昇するという悪循環に陥ることがあります。
症状としては、強い口渇、多飲、多尿、体重減少、倦怠感などがみられることがあります。状態が悪化すると、吐き気や嘔吐、腹痛、意識障害などが現れる場合もあります。
特に、繰り返し嘔吐して水分を摂れない、呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしているといった場合は、重い状態の可能性があります。自宅で様子を見たり栄養ドリンクなどで対応しようとしたりせず、救急車を要請するなど速やかに医療機関につなげてください。
ただし、糖を含む栄養ドリンクを1本飲んだからといって、直ちにペットボトル症候群になるわけではありません。必要以上に不安になる必要はありません。
注意したいのは、喉が渇くたびに糖入りの栄養ドリンクや清涼飲料水を繰り返し飲む習慣です。特に、肥満がある方や、これまで糖尿病を指摘されていなくても、強い口渇や多尿、体重減少などが続いている方は注意しましょう。
水分補給を目的に飲み物を選ぶ場合は、飲料に含まれる糖分についても確認し、水や麦茶などの無糖飲料も取り入れることが大切です。
猛暑日は何を飲めばいい?正しい水分補給

猛暑日の水分補給では、「夏はこの飲み物だけを飲めばよい」と一つに決めるのではなく、汗の量や活動内容、体調に合わせて飲み物を選ぶことが大切です。
日常生活で大量の汗をかいていない場合は、水や麦茶などでこまめに水分を補給しましょう。
一方、長時間の屋外作業やスポーツなどで大量に汗をかいた場合は、水分とともに塩分も失われます。スポーツドリンクや水と塩分タブレットの組み合わせなど、塩分も補給できる方法を検討してください。
脱水症が疑われる場合には、経口補水液が選択肢になります。ただし、経口補水液は普段の水分補給として飲むものではありません。
それぞれの飲み物の特徴と、市販されている商品例を紹介します。
普段の水分補給は水や麦茶
日常生活でそれほど大量の汗をかいていない場合は、水が基本的な水分補給の選択肢です。
一度に大量に飲むのではなく、喉が渇く前からこまめに飲むことを意識しましょう。
麦茶も普段の水分補給に取り入れやすい飲み物です。一般的な麦茶にはカフェインが含まれていないため、カフェインの摂取量を増やしたくない方にも利用しやすいでしょう。
ペットボトル入りの商品だけでなく、水出し用のティーバッグを用意しておけば、自宅や職場でまとまった量を作れます。
健康ミネラルむぎ茶 ティーバッグ

伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶 ティーバッグ」は、水出しとお湯出しの両方に対応した麦茶パックです。
カフェインゼロで、1袋から500mLの麦茶を作れます。毎日の水分補給用として、冷蔵庫に麦茶を作り置きしたい方に利用しやすい商品です。
ペットボトルタイプの「健康ミネラルむぎ茶」も販売されているため、外出時にはペットボトル、自宅ではティーバッグというように使い分けてもよいでしょう。
ただし、商品名に「ミネラル」と入っていても、大量発汗時の塩分補給を主な目的とした飲料ではありません。
長時間の運動や屋外作業などで大量に汗をかいた場合は、麦茶だけで済ませず、状況に応じて塩分も補給してください。
→Amazon.co.jp: 伊藤園 健康ミネラルむぎ茶 ティーバッグ 3.8g×30袋 デカフェ・ノンカフェイン
大量に汗をかいたらスポーツドリンクも選択肢
炎天下で長時間作業をした場合やスポーツをした場合は、水分とともにナトリウムなどの電解質も失われます。
このような大量発汗時には、スポーツドリンクが水分と塩分を補給する選択肢になります。
スポーツドリンクには糖質を含む商品が多いため、普段の水分補給として必要以上に大量摂取するのではなく、発汗量や活動量に合わせて利用しましょう。
ポカリスエット

大塚製薬の「ポカリスエット」は、発汗によって失われた水分と電解質を補給するための飲料です。
ペットボトルのほか、家庭やスポーツチームなどでまとまった量を作りやすい粉末タイプもあります。
長時間のスポーツや屋外作業、お風呂上がりなど、汗を多くかいた場面で利用しやすい商品です。
なお、1粒あたりの食塩相当量は0.1gと少量です。大量に汗をかいた場面で失われる塩分をタブレットだけで補おうとすると相当な数が必要になり、現実的ではありませんし、糖質の摂取量も増えます。あくまで飲料からの補給を基本とし、タブレットは補助と考えてください。
ポカリスエットには糖質が含まれています。汗をほとんどかいていないときの日常的な水分補給では、水や麦茶なども取り入れて使い分けましょう。
→Amazon.co.jp: ポカリスエット 大塚製薬 水分補給 ケース販売 900ml×12本
アクエリアス

日本コカ・コーラの「アクエリアス」も、水分とナトリウムを補給できるスポーツドリンクです。
ペットボトルや粉末タイプなどがあり、外出時や運動時の水分補給に利用できます。
通常タイプのほか、糖類やカロリーを抑えた商品などもあります。商品によって原材料や栄養成分が異なるため、パッケージの表示を確認して選んでください。
スポーツドリンクは、飲めば熱中症を完全に防げるものではありません。
飲料による補給だけでなく、暑い時間帯の外出を避ける、涼しい場所で休む、衣服を調節するなどの対策も行いましょう。
→Amazon.co.jp: [熱中症対策] アクエリアス 500ml PET ラベルレス ×24本 [冷凍兼用]
水と塩分タブレットを組み合わせる方法もある
大量の汗をかく状況では、水や麦茶と塩分タブレットを組み合わせる方法もあります。
塩分タブレットは持ち運びやすいため、屋外作業やスポーツ、イベントなどで飲料を常に持ち歩くことが難しい場合に便利です。
ただし、塩分タブレットは水分補給の代わりにはなりません。
タブレットだけを食べるのではなく、水や麦茶などの飲料と一緒に利用しましょう。
inタブレット塩分プラス

森永製菓の「inタブレット塩分プラス」は、塩分とブドウ糖を補給できるレモン味のタブレットです。
個包装タイプもあり、バッグや作業着のポケットに入れて持ち運びやすいのが特徴です。
スポーツや長時間の屋外作業、暑い日の外出など、大量に汗をかく場面で水分と一緒に利用しやすいでしょう。
なお、1粒あたりの食塩相当量は0.1gと少量です。大量に汗をかいた場面で失われる塩分をタブレットだけで補おうとすると相当な数が必要になり、現実的ではありませんし、糖質の摂取量も増えます。あくまで飲料からの補給を基本とし、タブレットは補助と考えてください。
一方、汗をほとんどかいていないときに、塩分タブレットを習慣的に何個も食べる必要はありません。
商品は食品ですが、食べる量にかかわらず安全性が一定になるわけではありません。パッケージに記載された栄養成分を確認し、食べ過ぎに注意してください。
また、高血圧や心臓病、腎臓病などで塩分やナトリウムの摂取量を制限されている方は、自己判断で利用せず、事前に医師や薬剤師へ相談しましょう。
小さな子どもに与える場合は、年齢や食べ方にも注意が必要です。タブレットをそのまま飲み込み、喉に詰まらせないようにしてください。
→Amazon.co.jp: 森永製菓 inタブレット塩分プラス 80g×6袋
経口補水液は脱水症が疑われるときに使う
経口補水液は、一般的なスポーツドリンクよりもナトリウムやカリウムなどの電解質を多く含む飲料です。
脱水状態における水分・電解質の補給を目的としており、夏の普段飲み用ドリンクではありません。
「熱中症対策になるから」と、脱水症状がないときに毎日飲み続けたり、水代わりに大量に飲んだりするのは避けましょう。
経口補水液 オーエスワン

大塚製薬工場の「オーエスワン」は、軽度から中等度の脱水症における水分と電解質の補給・維持に適した経口補水液です。
過度の発汗による脱水症や、脱水を伴う熱中症などに利用できる商品です。
通常のペットボトルタイプのほか、アップル風味やゼリータイプもあります。
ただし、「暑い日に飲めばよい飲料」ではなく、脱水症のための食事療法に用いる病者用食品です。脱水症でない方が普段の水分補給として飲む必要はありません。
ナトリウムやカリウムを比較的多く含むため、医師からこれらの成分の摂取量を制限されている方は、使用前に必ず医師へ相談してください。
経口補水液を選ぶときは、「経口補水液」と書かれているだけで判断せず、商品の許可表示や使用できる状態をパッケージで確認しましょう。
→Amazon | オーエスワン(500ml×6本) | OS-1(オーエスワン) | スポーツサプリメント
状況に合わせて飲み物を使い分けよう
猛暑日の飲み物は、次のように使い分けると分かりやすいでしょう。
水や麦茶、スポーツドリンク、経口補水液、塩分タブレットは、それぞれ役割が異なります。
普段の水分補給は水や麦茶を基本とし、大量に汗をかいた場合は水分と塩分を補給してください。
脱水症が疑われる場合は、経口補水液の表示を確認して利用しましょう。
栄養ドリンクについては、水分補給の代わりではなく、必要に応じて補助的に利用することが大切です。
猛暑日に栄養ドリンクを飲む5つのポイント

猛暑日に栄養ドリンクを飲んではいけないわけではありません。
重要なのは、栄養ドリンクを水分補給の代わりにしないことです。
暑い日に栄養ドリンクを利用する場合は、次の5つのポイントを意識しましょう。
1.まず水分を補給する
暑い場所で汗をかいたときは、最初に水分補給を考えましょう。
水や麦茶などを利用し、こまめに水分を摂取します。
「疲れているから栄養ドリンク」とすぐに考えるのではなく、
「今日はどのくらい汗をかいたか」
「水分を十分飲めているか」
を確認してください。
体のだるさが、水分不足や暑さによる体調不良と関係している可能性もあります。
2.大量に汗をかいた場合は塩分も補う
炎天下で長時間過ごした場合やスポーツをした場合など、大量に汗をかいたときは塩分も失われます。
スポーツドリンクなどを状況に応じて利用し、水分と塩分を補いましょう。
発汗量は気温や湿度、活動量、体格などによって異なります。
全員が同じ量を飲めばよいわけではありません。
特に運動時は、運動前後の体重を確認すると、どの程度水分を失ったのかを把握する目安になります。
3.栄養ドリンクは補助として利用する
栄養ドリンクを飲む場合は、水分補給を済ませたうえで、商品の用法・用量を守って利用しましょう。
喉が渇くたびに栄養ドリンクを飲むと、製品によってはカフェインや糖分の摂取量が増える可能性があります。
栄養ドリンクは、水やスポーツドリンクの代用品として何本も飲むものではありません。
「まず補水、汗をかいたら塩分、栄養ドリンクは補助」
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
4.1日の総カフェイン量を確認する
栄養ドリンクの成分表示を確認し、カフェインが含まれているかをチェックしましょう。
さらに、その日に飲んだコーヒーやエナジードリンクなども振り返ります。
カフェインを含む医薬品を服用している場合もあります。
どの商品にカフェインが含まれているか分からない場合は、薬剤師や登録販売者に相談してください。
カフェインの作用には個人差があります。
摂取後に動悸や気分の悪さ、不眠などが気になる場合は、無理に飲み続けないようにしましょう。
5.熱中症の症状を栄養ドリンクで乗り切ろうとしない
暑い場所にいた後のめまい、頭痛、吐き気、いつもとは違う強い倦怠感などは、熱中症を疑う症状です。
「疲れているだけ」と自己判断し、栄養ドリンクを飲んで仕事や運動を続けるのは避けましょう。
まず涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やします。
意識がはっきりしていて自力で飲める場合は、状態に合わせて水分や塩分を補給してください。
吐き気などで自分で水分を飲めない場合や、呼びかけへの反応がおかしい場合は、無理に口から飲ませてはいけません。
速やかに救急車を要請するなど、医療機関につなげる必要があります。
「暑くて疲れた」は熱中症のサインかもしれない

猛暑日に注意してほしいのが、「疲労」と「熱中症による体調不良」の区別です。
仕事が忙しかった日や睡眠不足の日は、
「今日は疲れている」
と感じるでしょう。
しかし、暑い環境にいた後に体がぐったりする、力が入らない、頭痛がする、吐き気がするといった症状がある場合は、暑さによる体調不良の可能性も考えなければなりません。
熱中症では、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気、倦怠感などが現れることがあります。
そのため、
「疲れたから栄養が足りない」
「栄養ドリンクを飲めば仕事を続けられる」
と決めつけないことが大切です。
カフェインを含む栄養ドリンクを飲んだ後、一時的に眠気やだるさの感じ方が変わることはあります。
しかし、それによって熱中症への対応が済んだことにはなりません。
暑い環境で体調に異変を感じたら、作業や運動を中断してください。
涼しい場所に移動して体を冷やし、水分を自力で摂取できるか確認しましょう。
自分で水分を飲めない、意識がおかしい、症状が改善しないといった場合は、早めに医療機関へつなげることが重要です。
まとめ|栄養ドリンクは水分補給の代わりではなく補助として使おう
栄養ドリンクを飲むこと自体が、直ちに脱水を引き起こすわけではありません。
カフェインには尿量を増やす利尿作用がありますが、適量のカフェインを摂取しただけで必ず体内の水分が不足するとは限りません。
猛暑日に注意したい本当のポイントは、大量の汗で水分や塩分を失っているにもかかわらず、少量の栄養ドリンクだけで水分補給を済ませてしまうことです。
栄養ドリンクを飲んで眠気や疲労感が軽くなったように感じても、失った水分や塩分が十分に補給されたとは限りません。
日常的な水分補給では水や麦茶などを利用し、大量に汗をかいた場合はスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給する方法を検討しましょう。
経口補水液は普段の水分補給用ではありません。脱水状態など、商品の用途や表示に合った状況で利用してください。
栄養ドリンクを飲む場合は、商品の用法・用量を守り、コーヒーやエナジードリンク、医薬品などを含めたカフェインの総摂取量にも注意しましょう。
猛暑日の基本は、
「まず補水、汗をかいたら塩分、栄養ドリンクはあくまで補助」
です。
暑い日にめまいや頭痛、吐き気、いつもとは違う強い倦怠感などがある場合は、栄養ドリンクで無理に乗り切ろうとせず、熱中症の可能性も考えて適切に対応しましょう。
