熱中症の頭痛にロキソニンは飲んでいい?吐き気があるときの鎮痛薬と受診目安を薬剤師が解説

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暑い屋外で過ごしたあとや、エアコンの効いていない室内に長時間いたあとに、頭痛や吐き気が起こることがあります。

頭が痛いと、手元にあるロキソニンなどの鎮痛薬を飲みたくなるかもしれません。しかし、暑さによる頭痛や吐き気では、痛み止めを選ぶ前に「熱中症が疑われる状態ではないか」「安全に薬を飲める状態か」を確認することが大切です。

実際、日本救急医学会の「熱中症診療ガイドライン2024」では、「熱中症の治療において、解熱薬を使用しないことを、弱く推奨する」とされています。この推奨の合意率は92.3%で、エビデンスの強さはD(非常に弱い)とされています。つまり、現時点では十分な研究データがそろっているわけではないものの、熱中症そのものの治療を目的としてロキソニンなどのNSAIDsやアセトアミノフェンといった解熱薬を積極的に使用することは推奨されていません。

風邪などによる発熱と熱中症による高体温では、体温が上がる仕組みが異なります。熱中症では、暑さや運動によって生じた熱を十分に体外へ逃がせなくなることで体温が上昇するため、一般的な解熱薬を服用しても熱中症による高体温への効果は明らかになっていません。熱中症が疑われる場合は、解熱鎮痛薬で体温を下げようとするのではなく、涼しい場所への移動や体の冷却、水分・塩分の補給などを優先する必要があります。

また、熱中症では、体温の上昇だけでなく、発汗による水分・塩分の不足や血流の変化が起こります。脱水した状態でロキソニンなどのNSAIDsを服用すると、腎臓に負担がかかる可能性があります。

吐き気や嘔吐がある場合は、飲んだ薬が十分に吸収されないこともあります。水分さえ飲めない状態で、無理に鎮痛薬を服用するのは適切ではありません。

この記事では、熱中症が疑われる頭痛にロキソニンを飲むリスク、アセトアミノフェンを選ぶ際の注意点、熱中症の際に解熱鎮痛薬を使用するときの考え方、薬を飲まずに受診した方がよい症状について解説します。

目次

熱中症が疑われる頭痛では鎮痛薬より状態確認を優先する

結論からお伝えすると、暑い環境のあとに頭痛や吐き気が現れた場合は、すぐに鎮痛薬を飲むのではなく、まず熱中症の重症度を確認してください。

日本救急医学会は2024年に「熱中症診療ガイドライン2024」を公表し、このガイドラインでは熱中症を重症度によってⅠ度からⅣ度に分類しています。

Ⅰ度では、めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返り、大量の発汗などがみられます。Ⅱ度になると、頭痛、吐き気・嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下などが現れます。つまり、暑い環境のあとに頭痛や吐き気がある場合は、「単なる頭痛」と考えて痛み止めだけで対処するのではなく、熱中症が進行している可能性も考える必要があります。

Ⅲ度では意識障害や肝機能・腎機能の障害、DICなどがみられ、より重い状態です。さらに2024年版で新設されたⅣ度は、深部体温が40.0℃以上で、かつGCS(意識レベルを評価する指標)が8以下の状態と定義されています。これは従来のⅢ度に含まれていた患者のうち、特に重症な群を区別したものです。

そのため、熱中症が疑われる頭痛や吐き気があるときは、「ロキソニンを飲めばよいか」と考える前に、意識ははっきりしているか、自力で水分を飲めるか、嘔吐していないか、ふらつきや判断力の低下がないかなどを確認することが重要です。症状が強い場合や改善しない場合、意識状態に異常がある場合は、市販薬で様子を見ず、医療機関の受診や救急要請を検討してください。

熱中症が疑われるときに優先したい対応は、次のとおりです。

  • 暑い場所での作業や運動を中止する
  • エアコンが効いた室内や風通しのよい日陰へ移動する
  • 衣服をゆるめて体を冷やす
  • 意識や受け答えの状態を確認する
  • 自力で水分を飲めるか確認する
  • 吐き気や嘔吐の有無を確認する
  • 尿が極端に少なくなっていないか確認する

意識がはっきりしていて、自分で水分を飲むことができ、飲んでも吐かない場合は、涼しい場所で休みながら水分と塩分を補給します。

一方、呼びかけへの反応がおかしい、自力で飲めない、飲んでも吐いてしまう、症状が改善しないといった場合は、市販薬で様子を見る段階ではありません。医療機関への受診や救急要請を検討してください。

頭痛を一時的に抑えても、脱水や体温上昇、電解質の乱れが改善するわけではありません。熱中症が疑われる場面では、「どの痛み止めを飲むか」よりも「薬を飲んでよい状態なのか」を先に判断する必要があります。

熱中症で頭痛や吐き気が起こる理由

熱中症による頭痛や吐き気は、単に暑さが不快だから起こるわけではありません。体温を下げようとする体の働きと、水分や塩分の不足が重なって起こります。

発汗によって水分と塩分が失われる

暑い環境では、体は汗をかくことで熱を外へ逃がそうとします。

ところが、大量に汗をかいた状態が続くと、体内の水分と塩分が不足します。血液の量が少なくなることで全身の循環が保ちにくくなり、頭痛、めまい、だるさ、脱力などが現れることがあります。

脱水による頭痛は、一つの原因だけで起こるわけではありません。頭の周囲の血流や水分バランスが変化し、痛みを感じる仕組みが刺激されることで起こると考えられています。

そのため、熱中症が疑われる頭痛では、痛みだけを薬で抑えるのではなく、脱水や体温上昇への対応が必要です。

体を冷やすために胃腸への血流が減る

暑い環境では、体内の熱を逃がすために皮膚の血管が広がります。運動中であれば、筋肉にも多くの血液が必要です。

皮膚や筋肉へ血液が優先的に送られると、胃や腸への血流が少なくなり、胃腸の働きが低下することがあります。その結果、むかつき、食欲不振、吐き気、嘔吐などが起こりやすくなります。

吐き気があるときは、胃の中に入った薬が腸へ移動するまでに時間がかかることがあります。嘔吐した場合は、飲んだ薬を吐き出してしまい、どの程度吸収されたのか判断しにくくなります。

低ナトリウム血症でも似た症状が起こる

長時間の運動や大量発汗のあとに水だけを多量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下する場合があります。これを低ナトリウム血症といいます。

低ナトリウム血症でも、頭痛、吐き気、嘔吐、だるさ、判断力の低下など、熱中症と似た症状が現れることがあります。

「暑い日に頭が痛くなったから痛み止めを飲む」という対応だけでは、脱水や塩分バランスの異常を見逃す可能性があります。意識状態がおかしい場合や症状が強い場合は、自己判断で市販薬を追加せず、医療機関を受診しましょう。

暑い時期の頭痛でも熱中症とは限らない

熱中症は、暑い環境にいたあとの体調不良のうち、ほかの原因となる病気を除外したうえで診断される病気です。日本救急医学会の診断基準でも、熱中症は『感染症や悪性症候群による中枢性高体温、甲状腺クリーゼ等、他の原因疾患を除外したもの』と定義されています。『熱中症診療ガイドライン2024』も、体温が上がっているときの鑑別診断は感染症、内分泌・神経の病気、中枢神経の病気、中毒まで広範囲に及ぶとしています。

そのため、次のような頭痛は、暑い時期であっても熱中症と決めつけず、鎮痛薬でしのがずに医療機関を受診してください。

  • 今まで経験したことがないほど突然に、強く始まった頭痛
  • 頭痛とともに、手足の動かしにくさ、ろれつが回らない、片側の感覚がおかしいといった症状がある
  • 首の後ろが硬く、前に曲げにくい/高い熱が続いている
  • 意識がぼんやりする、けいれんがある
  • 冷却と休息で他の症状は改善したのに、頭痛だけが強く残る、あるいは悪化していく

鎮痛薬は痛みの信号を弱めるだけで、原因そのものを治すわけではありません。痛みが一時的に軽くなることで受診のタイミングが遅れてしまうことが、最も避けたい事態です。

熱中症の頭痛にロキソニンをおすすめしにくい理由

ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンは、NSAIDsと呼ばれる種類の解熱鎮痛薬です。

NSAIDsは、痛みや炎症に関係するプロスタグランジンの生成を抑えることで、頭痛、歯痛、腰痛、生理痛などを和らげます。

一般的な頭痛には使用される薬ですが、脱水を伴う可能性がある熱中症では注意が必要です。

脱水時は腎臓への負担が大きくなる可能性がある

腎臓は、血液をろ過して尿を作り、体内の水分や塩分のバランスを調節しています。

脱水すると、体内を循環する血液の量が減少し、腎臓へ流れる血液も少なくなります。腎臓はプロスタグランジンの働きを利用して、できるだけ血流を保とうとします。

ロキソプロフェンなどのNSAIDsは、プロスタグランジンの生成を抑える薬です。そのため、脱水状態で服用すると、腎臓が血流を保つ仕組みを妨げ、腎機能が悪化する可能性があります

ロキソプロフェンの添付文書には、重大な副作用として急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎などが記載されています。

急性腎障害とは、腎臓の働きが短期間で低下し、尿を十分に作れなくなったり、体内の老廃物や水分を排出しにくくなったりする状態です。

熱中症では、すでに脱水や循環血液量の低下が起こっている場合があります。そこにNSAIDsを重ねることで、腎臓への負担が増す可能性があるため、自己判断での服用はおすすめできません。

利尿薬や血圧の薬を飲んでいる人は特に注意する

高血圧や心臓病などの治療で、次のような薬を服用している人は注意が必要です。

  • 利尿薬
  • ACE阻害薬
  • ARB
  • その他の降圧薬

利尿薬は尿を増やす作用があるため、発汗が多い状況では脱水に傾きやすくなる場合があります。

また、ACE阻害薬やARBとNSAIDsを併用すると、腎臓への血流やろ過に影響し、腎機能が悪化する可能性があります。

日頃から腎臓病、高血圧、心不全などで治療を受けている人は、暑い日の鎮痛薬の使い方について、あらかじめ医師や薬剤師に相談しておくとよいでしょう。

胃腸の症状が悪化する可能性がある

ロキソプロフェンなどのNSAIDsでは、胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器症状が現れることがあります

まれではあるものの、消化性潰瘍や消化管出血などの重い副作用も報告されています。

熱中症ですでに吐き気や胃の不快感があるときにNSAIDsを服用すると、胃腸への負担が重なる可能性があります。

「頭痛に効くかどうか」だけで判断せず、吐き気、嘔吐、食事の摂取状況、脱水の程度も含めて考えることが必要です。

解熱鎮痛薬を飲んでも熱中症の高体温は根本的に改善しない

ロキソニンやアセトアミノフェンには、解熱作用があります。そのため、「熱中症で体温が高いなら解熱鎮痛薬を飲めばよい」と考える方もいるかもしれません。しかし、熱中症そのものの治療目的ではロキソニンやアセトアミノフェン、またイブプロフェンやアスピリン(アセチルサリチル酸)、サリチル酸系薬などを含め、解熱鎮痛薬の使用はおすすめできません。

なぜなら、風邪などで起こる発熱と、熱中症による高体温では、体温が上がる仕組みが異なります

感染症による発熱では、体が設定している体温の目標値が高くなります。解熱薬は、この設定に関係する物質の働きを抑えることで体温を下げます。

一方、熱中症では、暑さや運動によって作られた熱を十分に外へ逃がせなくなり、体温が上昇します。体温の設定値が上がっているわけではないため、解熱鎮痛薬を飲んでも、熱中症そのものへの対処にはなりません。

熱中症による高体温に必要なのは、涼しい場所への移動、衣服をゆるめること、首や脇の下、足の付け根などを冷やすこと、必要に応じた医療機関での補液や全身管理です。

解熱鎮痛薬を飲んで体温の変化だけを待つと、必要な冷却や受診が遅れるおそれがあります。

吐き気や嘔吐があるときは鎮痛薬を飲まない方がよい?

吐き気や嘔吐がある場合は、鎮痛薬の種類を選ぶ以前に、内服そのものが適していない可能性があります。

飲んだ薬が十分に吸収されないことがある

吐き気が強いと、胃の動きが低下し、飲んだ薬が胃から腸へ移動しにくくなることがあります。

また、服用後に嘔吐すると、薬がどの程度吸収されたのか分かりません。効いていないと思って追加で服用すると、結果的に過量服用になる可能性もあります。

嘔吐後に同じ薬を追加で飲むかどうかは、薬の種類、服用から嘔吐までの時間、年齢、体調などによって判断が異なります。自己判断で追加服用せず、医師や薬剤師に相談してください。

嘔吐によって脱水が悪化する

嘔吐すると、体内の水分と電解質がさらに失われます。

熱中症ですでに水分と塩分が不足している場合、嘔吐が続くことで脱水や電解質異常が進む可能性があります。

次のような状態では、無理に薬や水分を飲ませず、医療機関を受診してください。

  • 水分を飲んでもすぐに吐く
  • 吐き気や嘔吐が続いている
  • 自力で水分を飲めない
  • ぐったりしている
  • 受け答えがおかしい
  • 立つことや歩くことが難しい

意識が低下している人に飲み物や薬を与えると、気管へ入る危険もあります。反応がおかしい場合は口から何も飲ませず、救急車を呼びましょう。

アセトアミノフェンなら熱中症でも飲める?

アセトアミノフェンは、ロキソプロフェンなどのNSAIDsとは異なる特徴をもつ解熱鎮痛成分ですが、熱中症そのものの治療目的で使用することはおすすめできません

熱中症ではアセトアミノフェンも推奨されない

日本救急医学会の「熱中症診療ガイドライン2024」では、「熱中症の治療において、解熱薬を使用しないことを、弱く推奨する」とされています。アセトアミノフェンやNSAIDsは、風邪などの「発熱」には解熱作用を示しますが、異なる仕組みで起こる熱中症の高体温に対する効果は明らかになっていません。また、アセトアミノフェンは肝臓や腎臓の障害を引き起こし、凝固障害を悪化させる可能性も指摘されています。

そのため、「ロキソニンは避けた方がよいから、代わりにアセトアミノフェンを飲もう」と考えるのは適切ではありません。

アセトアミノフェンを含む市販薬も熱中症の治療には使用しない

アセトアミノフェンを含む市販の解熱鎮痛薬には、「タイレノールA」や「カロナールA」などがあります。

これらは頭痛や発熱などに使用される市販薬ですが、熱中症による頭痛や高体温を治療する目的で服用する薬ではありません。「市販のアセトアミノフェンなら大丈夫」と自己判断して服用しないようにしましょう。

また、アセトアミノフェンは総合感冒薬や一部の頭痛薬などにも配合されています。ほかの病気や症状に対して使用する場合でも、複数の薬にアセトアミノフェンが含まれていないか、成分・分量を確認することが大切です。

熱中症が疑われるときは鎮痛薬より冷却・補水を優先する

熱中症が疑われる頭痛では、「どの鎮痛薬なら飲めるか」を考えるよりも、まず暑い場所から離れて体を冷やし、意識状態や水分を飲めるかどうかを確認することが重要です。

意識がはっきりしていて自力で飲める場合は、水分と塩分を補給しながら安静にします。一方、意識や受け答えがおかしい、自力で水分を飲めない、飲んでも吐く、症状が改善しない場合は、市販の解熱鎮痛薬で様子を見ず、医療機関の受診や救急要請を検討してください。

なお、高体温の原因が熱中症とは限らず、感染症などが疑われる、または合併している場合には、解熱薬の使用が検討されることがあります。ただし、暑い環境のあとに頭痛や高体温がある場合に自己判断で見分けることは難しいため、症状が強い場合や判断に迷う場合は医療機関へ相談しましょう。

熱中症が疑われるときにまず行う応急処置

熱中症が疑われる場合は、まず呼びかけに応えるかを確認し、その後「自力で水分を飲めるか」「症状が改善するか」の順に判断します。厚生労働省では、めまい、筋肉痛、大量の発汗、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、意識障害などを熱中症が疑われる症状として挙げています。

1. 呼びかけに応えるか確認する

呼びかけに応えない、反応がおかしいなどの意識障害がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。

救急車を待つ間は、エアコンが効いた室内や風通しのよい日陰などへ移動させ、衣服をゆるめて体を冷やします。特に首の周り、脇の下、足の付け根などを冷やしましょう。

呼びかけへの反応が悪い場合は、誤嚥のおそれがあるため、無理に水分や薬を口から与えてはいけません。

2. 自力で水分を飲めるか確認する

呼びかけに応える場合は、次に自分で水分を摂取できるか確認します。

自力で飲める場合は、経口補水液などで水分と塩分を補給しながら、涼しい場所で安静にしてください。一度に大量の経口補水液を飲むのではなく、状態を見ながら補給しましょう。

一方、自力で水分を飲めない場合は、医療機関での処置が必要になる可能性があるため、速やかに受診してください。

3. 症状が改善するか確認する

冷却と水分・塩分補給を行ったあと、症状が改善するかを確認します。

症状がよくなった場合も、すぐに運動や作業へ戻らず、そのまま十分に休息をとりましょう。回復したことを確認してから帰宅します。

症状が改善しない場合は、市販の鎮痛薬を飲んで様子を見るのではなく、医療機関を受診してください。

市販薬で様子を見ずに受診・救急要請した方がよい場合

熱中症では、「頭痛がどの程度強いか」だけでなく、意識が正常か、自力で水分を飲めるか、応急処置で症状が改善するかが重要な判断ポイントです。

次のような場合は、市販薬による対処を優先せず、医療機関の受診や救急要請を検討してください。

  • 呼びかけに応えない、反応がおかしい
  • 意識がもうろうとしている、言動がおかしい
  • 自力で水分を飲めない
  • 水分を飲もうとしても口からこぼれる
  • 冷却や水分・塩分補給をしても症状が改善しない
  • けいれんや手足の運動障害などがみられる

特に、呼びかけに応えない場合はすぐに救急車を呼び、自力で水分を飲めない場合や応急処置をしても改善しない場合は医療機関を受診するという流れを覚えておくとよいでしょう。

熱中症が疑われる頭痛では、ロキソニンやアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬で症状を抑えることよりも、まずこのフローチャートに沿って重症度を判断し、冷却や水分・塩分補給、必要に応じた受診につなげることが大切です。

身体が異常に熱い

身体に触れたときに明らかに熱い場合は、体内に熱がこもっている可能性があります。涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首の周りや脇の下、足の付け根などを冷やしてください

特に、身体が異常に熱いうえに、呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしている、自力で水分を飲めないなどの症状がある場合は、重症の熱中症が疑われます。市販薬で様子を見ず、すぐに救急車を呼びましょう

熱中症と鎮痛薬に関するよくある質問

熱中症の頭痛にロキソニンを1回飲むだけでも危険ですか?

1回服用しただけで必ず腎障害が起こるわけではありません。

ただし、脱水の程度、腎機能、年齢、持病、併用薬などによってリスクは異なります。水分を飲めない、尿が少ない、吐き気や嘔吐がある場合は、自己判断での服用を避けてください。

特に、腎臓病がある人、利尿薬やACE阻害薬、ARBを服用している人、高齢者は、医師や薬剤師への相談が必要です。

すでにロキソニンを飲んでしまった場合はどうすればよいですか?

すでに服用した場合は、慌てて別の鎮痛薬を追加しないでください。

涼しい場所で休み、意識がはっきりしていて吐き気がなければ、少量ずつ水分と塩分を補給します。尿量や体調の変化も確認してください。

吐き気や嘔吐が続く、尿がほとんど出ない、強いだるさがある、受け答えがおかしい場合は、服用した薬の名前と時刻を伝えて医療機関を受診してください。

ロキソニンよりアセトアミノフェンの方がよいですか?

腎血流への影響という点では、アセトアミノフェンはNSAIDsより使用しやすい場合があります。

ただし、脱水、絶食、低栄養、多量飲酒、肝臓病などがある人では、肝障害に注意が必要です。

熱中症への初期対応は、鎮痛薬ではなく冷却と水分・塩分補給です。アセトアミノフェンを使用する場合も、全身状態が改善し、薬を服用しても問題ない状況かを確認したうえで、添付文書に記載された用法・用量を守ってください。

頭痛が治まれば運動や仕事に戻ってもよいですか?

頭痛が治まっても、脱水や体温調節の乱れが十分に回復していない可能性があります。

鎮痛薬によって痛みだけが軽くなった場合は、体の異常に気づきにくくなることも考えられます。その日の運動や高温環境での作業は中止し、涼しい場所で休んでください。

症状が続く場合や再発する場合は、医療機関を受診しましょう。

水だけを飲めばよいですか?

日常生活で少し汗をかいた程度であれば、水やお茶などで水分を補給できます。

一方、長時間の運動や屋外作業で大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分も失われています。意識がはっきりしていて吐き気がなく、自力で飲める場合は、経口補水液などが選択肢になります。

水だけを短時間に大量に飲むのではなく、状態を見ながら少量ずつ補給してください。

頭痛があるのに体温が高くなければ熱中症ではありませんか?

熱中症では、必ずしも体温が著しく高くなるとは限りません。

頭痛、吐き気、めまい、だるさ、脱力、筋肉のけいれんなどが先に現れることがあります。暑い環境にいたあとに体調不良が起きた場合は、体温だけで否定せず、熱中症の可能性を考えて対応してください。

まとめ

熱中症が疑われる頭痛では、痛み止めを選ぶ前に、薬を飲んでも問題ない状態かを確認することが大切です。

ロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンなどのNSAIDsは、脱水時に腎臓への血流を低下させ、腎機能に影響する可能性があります。吐き気や嘔吐がある場合は、胃腸への負担や薬の吸収が不安定になる点にも注意が必要です。

アセトアミノフェンはNSAIDsより腎臓への影響が少ないとされていますが、脱水、絶食、低栄養、多量飲酒などがある場合は肝障害に注意しなければなりません。

熱中症が疑われる場合は、まず暑い場所から離れ、体を冷やし、意識状態と水分を飲めるかどうかを確認してください。

意識がおかしい、自力で飲めない、飲んでも吐く、尿が極端に少ない、冷却と補水をしても改善しない場合は、市販薬で様子を見ず、速やかに医療機関を受診しましょう。

本記事は一般的な医薬品情報を提供するもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。持病や併用薬がある方、服用してよいか判断に迷う方は、医師や薬剤師に相談してください。