シナールはシミやそばかす、ニキビには効果がない!?薬剤師が解説

オオギ薬局のブログでの市販薬紹介シリーズ

オオギ薬局では、様々な医療用医薬品を〈処方箋なしで販売する〉という業態で、毎日全国から多くの問い合わせを頂きます。ただ、その中で

  • 法令上通販ができない為に対応ができない
  • 市販薬でも同等、類似の成分がある為にそれで十分だと考えられる

というケースがあるため、そういった方へ参考となるようなご案内ができればと思います。

「シナールがシミやそばかすに効果があるって聞いたけど、本当かしら」

「シナールを飲めば、ニキビが治るのかなぁ」

そのような疑問に対して、薬剤師が科学的根拠に基づき解説いたします。

この記事を読むことで、これらのことが分かります。

  • シナールの効果
  • シナールはシミやそばかすに効果があるかどうか
  • シナールはニキビやニキビ跡に効果があるかどうか
  • シナールの服用方法と注意点
  • ネット通販で購入できる一般用医薬品のシナール

ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

シナールとは

シナールとは、アスコルビン酸(ビタミンC)と、アスコルビン酸の働きを助けるパントテン酸カルシウム2種類の有効成分を含有するビタミン剤です。

名称の由来は【ビタミンC + nal:(肌が)白くなる→しろなる→しなーる】です。(ダジャレのようですが、医薬品インタビューフォームに確かにそう書いてあります。)

シナールは、錠剤と顆粒剤の2種類の剤型があります。

シナール配合錠 シナール配合顆粒

シナール配合錠1錠とシナール配合顆粒1g(1袋)に含まれる有効成分は以下の通りです。

  • アスコルビン酸 200mg
  • パントテン酸カルシウム 3mg

錠剤1錠と顆粒剤1g(1袋)に同じ量が含まれています。

シナールの効果

シナールには、以下の3つの効果があります。

1.メラニン色素の形成を抑制し,既成メラニン色素の還元を促進する。

2.結合織の主成分であるコラーゲンの生成と保持に関与する。

3.このほか,生体内の可逆的酸化還元作用に関与する。

シナールの添付文書【薬効薬理】より引用

シナールを飲むことで、シミやそばかす、ニキビが全部消えてしまいそうな気がしますよね。

シナールは、本当にシミやそばかす、ニキビに効果があるのでしょうか?

シミの4つの分類

シミとは、薄茶色や濃褐色の色素が肌にあらわれるものを指します。

シミは大きく次の4つに分類されます。

シミの種類 特徴 主な原因
日光黒子
(にっこうこくし)
いわゆる”シミ”。
老人性色素斑とも言われ、加齢とともに増加する。
紫外線
雀卵斑
(じゃくらんはん)
いわゆる”そばかす” 遺伝
炎症後色素沈着
(えんしょうごしきそちんちゃく)
やけど、ニキビ、化粧品かぶれなどによる
肌の炎症が治った後に生じる。
やけど、ニキビ、かぶれなどの炎症
肝斑
(かんぱん)
女性の顔に多く生じる左右対称のシミ。
女性ホルモンが関連して発症すると言われている。
ホルモンバランス

参考:くすりと健康の情報局by第一三共ヘルスケア(https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/15_shimi/

「シミ」という大きな括りの中に、日光黒子(いわゆる”シミ”)と雀卵斑(いわゆる”そばかす”)が含まれています。

シミの種類によって原因や治療法が異なるため、シナールを飲めばシミが消えるというほど単純なものではありません。

日光黒子(いわゆる”シミ”)や雀卵斑(いわゆる”そばかす”)にシナールは効果があるのでしょうか。

シミ(日光黒子)やそばかす(雀卵斑)にシナールは効果がある?

シナールには、メラニン色素の形成を抑制して既成メラニン色素の還元を促進する作用があるため、今あるシミやそばかすを薄くしたり、シミやそばかすの発生を予防する可能性があります。(シナールを飲めばシミやそばかすが必ず消える、シナールを飲めばシミやそばかすが絶対にできない、という訳ではありません。)

しかし、そういった目的でシナールを使用することは保険外診療に該当するため全額自己負担となります。

ニキビにシナールは効果がある?

ニキビは、医学的には尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と言われ、疾患の本質は毛穴の詰まりから生じる炎症です。

ニキビにシナールは効果があるのでしょうか?

尋常性痤瘡治療ガイドライン2017には、ニキビに対するビタミン薬内服の効果について、下記のように記載されております。

CQ40:痤瘡にビタミン薬内服は有効か?

推奨度 C2

推奨文 痤瘡に、ビタミン薬内服を行ってもよいが、推奨はしない。

解説
 痤瘡治療の補助的内服療法としてビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEが用いられる。その作用機序として、ビタミンAは毛包表皮の角化を、ビタミンB2とビタミンB6は皮脂分泌を、ビタミンEは過酸化脂質を抑制することが考えられている。しかし、各々のビタミン薬内服の痤瘡に対する有効性を確立するための臨床試験は行われておらず、ビタミン薬内服を推奨する十分な根拠はない。
以上より、痤瘡にビタミン薬内服を行なってもよいが、推奨はしない。

尋常性痤瘡治療ガイドライン2017(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne_guideline2017.pdf)より引用

尋常性痤瘡ガイドライン2017では、ニキビに対してビタミン薬内服は推奨されていません。

加えて、シナールはビタミン「C」を含有しておりますが、上記で触れられていたニキビに効く可能性のあるビタミン類とは、ビタミンのタイプが異なります。

以上より、シナールはニキビに効果がないと言えるでしょう。(厳密には、とある疾患に対してとある薬剤の効果がないことを証明するのは非常に大変なので「効果がないと思われる」というのが正しいのですが。)

ニキビで悩んでいる方は、皮膚科を受診しましょう。

ニキビ跡にシナールは効果がある?

ニキビ跡(痕)には、大きく分けて「赤み」「色素沈着」「凹凸」の3つの種類があります。

3つの症状のなかで「色素沈着」にはシナールが効く可能性があります。

色素沈着にはメラニンが関係しており、ニキビ(炎症)が長引くと肌を守ろうとしてメラニンがつくられ、肌がくすんだり茶色いシミができます。(紫外線から肌を守ろうとメラニンがつくられるのと同じ)

シナールには「メラニン色素の形成を抑制し,既成メラニン色素の還元を促進する。」という効果があるため、ニキビ跡の色素沈着にはシナールが効く可能性があるという理屈です。(シナールを飲めばニキビ跡の色素沈着が必ず治るという訳ではありません。)

また、シナールの添付文書の効能効果には「炎症後の色素沈着」と書かれており、ニキビは炎症の一種であるため、ニキビ跡の色素沈着に対しては保険診療としてシナールを処方してもらうことが可能です。

シナールの使用に関して、シミやそばかすに対しては「保険外診療」のため全額自己負担、ニキビ跡の色素沈着に対しては「保険診療」と解説してきました。

保険診療と保険外診療の判断基準のひとつとして、使用目的が医薬品の添付文書に記載されている【効能・効果】の範囲内かどうか、という決まりがあります。

本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し,食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患,妊産婦,授乳婦等),炎症後の色素沈着

なお,効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

シナールの添付文書【効能・効果】より引用

そのため、添付文書に書かれているニキビ跡等の炎症後の色素沈着は保険診療、そうではないシミやそばかすは保険外診療となります。

シナールの炎症後の色素沈着に対する臨床効果は?

シナールの炎症後の色素沈着に対する臨床効果について、医薬品インタビューフォームより引用させていただきます。

再評価結果におけるアスコルビン酸・パントテン酸カルシウム配合剤の炎症後の色素沈着に対する有効性評価対象例は136例であり、有効率は86.8%(118例)であった。

シナールの医薬品インタビューフォーム【Ⅴ.治療に関する項目 3.臨床成績 (2)臨床効果】より引用

シナールの服用方法

下記の用量を、医師の指示に従って服用してください。

  • シナール配合錠の場合は、1回1〜3錠を、1日1〜3回(1日で最大9錠)
  • シナール配合顆粒の場合は、1回1〜3gを、1日1〜3回(1日で最大9g)

添付文書の【効能・効果】には「効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。」と記載されており、1ヶ月を目処に医師により効果判定されることが多いでしょう。

シナールを服用する際の注意点

シナールに禁忌はなく、妊婦中の方や授乳中の方、子どもや高齢者でも服用することができます。

シナールを服用することで、下記の消化器系の副作用が現れるおそれがあります。

  • 胃不快感
  • 悪心・嘔吐
  • 下痢 等

シナールを服用することで、下記の臨床検査結果に影響を及ぼすことがあります。

  • 各種の尿検査で,尿糖の検出を妨害することがある。
  • 各種の尿試験紙法による尿検査(潜血,ビリルビン,亜硝酸塩)・便潜血反応検査で,偽陰性を呈することがある。

シナールを購入するには

これまで紹介してきたシナール配合錠とシナール配合顆粒は、医療用医薬品です。

医療用医薬品を入手するためには、基本的には病院で医師の診察を受ける必要があります。

しかし、医療用医薬品のシナールとは別に、一般用医薬品としてもシナールは販売されております。

一般用医薬品のシナールは、Amazon等のネット通販サイトで購入できます。

それでは、医療用医薬品のシナールと一般用医薬品のシナールは、何が違うのでしょうか?

医療用医薬品のシナールと一般用医薬品のシナールの最大の違いは、含有する有効成分とその含有量です。

以下、現在販売されている一般用医薬品(市販薬)のシナール6種類をご紹介いたします。

シナールEX pro 顆粒

一般用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • アスコルビン酸 2,000mg
  • リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB2誘導体) 12mg
  • 酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE) 30mg
  • パントテン酸カルシウム 30mg
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シナールEX pro チュアブル錠

一般用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • ビタミンCとして 2,000mg
    • アスコルビン酸 1,950mg
    • アスコルビン酸カルシウム 60.5mg
  • リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB2誘導体) 12mg
  • 酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE) 30mg
  • パントテン酸カルシウム 30mg
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シナールEX顆粒e

一般用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • アスコルビン酸 2,000mg
  • リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB2誘導体) 12mg
  • 酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE) 30mg
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シナールEXチュアブル錠e

一般用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • ビタミンCとして 2,000mg
    • アスコルビン酸 1,950mg
    • アスコルビン酸カルシウム 60.5mg
  • リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB2誘導体) 12mg
  • 酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE) 30mg
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シナールLホワイト2

一般用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • アスコルビン酸 1,000mg
  • L-システイン 240mg
  • パントテン酸カルシウム 24mg
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シナールLホワイト エクシア

一般用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • アスコルビン酸 1,200mg
  • L-システイン 240mg
  • パントテン酸カルシウム 24mg
  • ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) 12mg
  • ビオチン 500μg
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(参考)シナール配合錠/シナール配合顆粒

医療用医薬品のため、Amazon等のネット通販サイトで購入不可。

有効成分(成人における1日の最大用量の場合)

  • アスコルビン酸 1,800mg
  • パントテン酸カルシウム 27mg

まとめ

この記事では下記の内容について解説してきました。

  • シナールの効果
  • シナールはシミやそばかすに効果があるかどうか
  • シナールはニキビやニキビ跡に効果があるかどうか
  • シナールの服用方法と注意点
  • ネット通販で購入できる一般用医薬品のシナール

この記事の内容がお役立ていただければ幸いです。

※内容には弊社薬剤師スタッフが、一般的にみて不適切な内容、表記がないかチェックしておりますが、患者さまの状況(症状、既往歴、併用薬など)によって最適な治療、選択は変わる場合がございます。特に治療中の疾患がある方は、かかりつけの医院や薬局がございましたらそちらにご相談頂くのを一番と考えております。
※掲載内容は執筆時点の情報です。掲載後もなるべく最新の情報に更新するべく、予告なしに変更することがございます。
※内容に関しまして気になる点はお問い合わせフォームにて神田本店にご連絡頂ければと思います。